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2009年4月

セミナーと髭の話

 4月19日の日曜日から21日の火曜日までの3日間、朝9時から午後5時まで、「繁栄し続ける企業への選択〜いかなる環境下でも、コストダウンすることなく収益力は向上できる〜」という東京のホテルで開催されたセミナーに参加した。これは、当社が一昨年の暮に導入したCCPM(クリティカルチェーン・プロジェクト・マネジメント)の生みの親であるイスラエルの物理学者エリヤフ・ゴールドラット博士の来日に合わせたセミナーである。
セミナーにて
右/社長
左/ゴールドラット氏
 20日と21日の富山での予定をキャンセルして参加したのは、当社へのCCPM導入のきっかけを作ってくれた岸良裕司さんからの4月11日のメールであった。メールには「4月19日―21日のゴールドラット博士のセミナーに出ませんか?(中略)どうしても林さんには、これを受けてもらって、今後活かしてもらいと思っています。(中略)もちろん、個人的に博士も紹介させていただきます。大変お忙しいとは思いますが、一生の財産になるかと思います。ご検討をお願いします。」とあった。

 岸良さんとの出会いは、一昨年の11月に富山県建設業協会の私の委員会が主催した「三方良しの公共事業改革」のセミナーの講師(日本TOC推進協議会理事)としてであった。セミナーの後、意気投合してジャズを聞きながら午前様になるまで飲んで語り合った。
 そして翌月、全国各地での講演で多忙を極める岸良さんの予定がたまたま12月21日に空いたということで、その日に彼を講師とする当社でのCCPM社内セミナーを開催した。県庁の土木技術者も参加してのセミナーの終わりに、その中の一人からの涙ながらの感想を聞いて土木技術者の熱い想いを感じ、「ワンデーレスポンス」を通じて発注者と請負者との片務性を解消するためには、発注者と請負者を結ぶための道具としてCCPMのコンピュータソフトを導入すべきだと思った。すぐに岸良さんが取締役を務めるビーイングからこのソフトを購入し、翌年の1月4日の新年式の後に全社員対象のCCPMセミナーを開催し、当社のCCPMがスタートした。 
 その後岸良さんはビーイングを辞め、ゴールドラット博士のコンサルティンググループで日本代表として働くことになった。この岸良さんからのセミナーへの誘いのメールを読み、これは絶対に出るべきだと思い、セミナーへの参加を決めた。
 セミナーが始まった。同時通訳を聞きながらのセミナーは初めてであり、また、ゴールドラット博士の著書を読んだことがなく、博士のTOC(制約理論)も勉強していないため、1日目は耳慣れない用語もあって、このセミナーから何を得られるだろうかといささか不安に思った。しかし、博士の身振り手振りを交えた情熱的な講演を聞きながら書きとめた、「商品を売るのではなく、信頼性というサービスを売るのである」、「コンピュータの寿命は2年、マシンの寿命は5年。でも会社が理想像を作りそれに取り組むことで、従業員と共に40年維持できる会社を作ることができる」、「自然科学全てについて言えることだが、現実とはとてもシンプルである」などに、単なる戦略、戦術を超えた精神性を感じるようになった。

 

セミナーの様子
セミナーの様子

さて、3日目の午後のセミナーで博士は、変化にはプラスの変化もあればマイナスの変化もあるということを、断崖の下に立つ人の絵を描きながら話された。断崖の上にある金のつぼを取ること(プラスの変化)はアメリカ型であり、後ろから獰猛なワニが襲ってくること(マイナスの変化)は日本型であるとして、日本ではワニの存在を作り出し強調する傾向があると言われた。この話が終った後の休憩時間に、隣の席の男性から、「自分はサラリーマンだが、林さんは経営者としてこの話をどう思うか」と話しかけられた。私は、今月の朝礼の話題にした社員の髭の話を次のように彼にした。
 むさくるしい髭を止めさせるために服務規程を作ろうという話になった。しかし、規程となれば規則違反に対して処罰するということになるが、これはワニの話に相当するだろう。チェックリストで自らが自分の身だしなみをチェックするのが良いとも考えたが、これも事細かにリストアップすれば同じこと。それよりも、髭に限らず服装や礼儀、言葉遣いなどに品があるかどうかをチェック基準にすることにした。これは、このセミナーで言うビジョンに相当するものだと思う。博士は「win-win(どちらも勝つ)の関係が無ければ、変化はもたらされない」と言ったが、会社の信用をなくしたり建設産業のイメージダウンにならないのであれば「手入れされた品のある髭は認める」という私の考えは、会社にとっても社員にとってもお客様にとってもwin-winと言えるのではないかと思う。 
 私にとってセミナーの成果の一つと思われた会話であると思う。そして、勉強に対する意欲がさらに高まった3日間のセミナーであった。

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