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2001年4月

Fact Finding(事実発見)

 私が昨年役員になった業界団体の役員会が先日開催され、総会提出議案の昨年度収支決算報告で、専務理事から、昨年実施した記念事業特別会計の差引額(余剰金)の内○○円は「固定資産として積み立て、・・・」という資料の説明がなされた。私は、 「固定資産に積み立てとは変だな?」と思って前のページの財産目録を見ると、資産の部の固定資産にまず定期預金があるではないか。その下に会館敷金、什器備品とあり、流動資産として普通預金と現金が記載されている。余剰金で什器備品を買うわけが無く、積み立てとあるので、これは定期預金に積みたてる意味だと理解した。そこで「固定資産に積みたてるとは定期預金にするということか?定期預金は流動資産であり、固定資産に計上するのは間違いである」と質問、指摘すると、専務理事は「林さんの言われる通り定期預金に積みたてる。私がこの協会に入る前からずっと定期預金は固定資産になっており、自分も固定資産はおかしいのではないかと思って経理の本を買って調べたら、固定資産になる定期預金もあると書いてあったのでそのままにしてきた」という返答。それに対してある役員は「間違っているのならこの際直せば良い」と発言したが、他の役員は「1年定期だから固定資産でよい」と固定と流動の意味を逆にとらえた発言。確かに負債の場合は1年を超える借入金は長期借入金として固定負債に計上することは知っているが、1年の定期預金を固定資産とは絶対におかしいと思い、役員会が終わってから会社に電話し経理課長に尋ねたら、定期預金は何年物でも流動資産にしているとの返事。数日して協会事務局を訪ね、どの様になったかと聞いたら、分かりやすく「定期預金として積み立て」と書き直すとのことであり納得したが、専務理事から経理の本を見せられビックリ。確かに満期日が決算日から1年を超える定期預金は固定資産と書いてあるではないか。私が経理の勉強をしたのは当社に入った26年前であり、その時読んだ本には固定資産になる定期預金もあると書いてあったのかもしれないが、その後は当社の貸借対照表を見るだけであり定期預金は流動資産と思い込んでいたのだった。そして、その日の昼、ロータリークラブの例会で隣りに座った税理士の会員にこの話をしたら、「会計士は固定資産にするように言うが、定期預金は解約できるのだから私は流動資産にしている」とのこと。なるほど、会計学的には固定資産であっても実務的には流動資産で良いということであり、気持ちがスッキリした。そして思ったのが表題のFact Finding(事実発見)だった。
 Fact Finding(事実発見)とは、アイバックの小澤社長に教わった創造的問題解決(CPS)の手法の第1ステップであり、この後、問題発見、アイデア発見、解決策発見、適応策発見と続く。問題を解決するためには「事実」情報を収集し真の問題とは何かを把握することが必要であり、「真の問題さえ把握できたなら、問題の7割は解けた」と言っても過言ではない。そのために、第1ステップの事実発見では、問題そのものに直接関係したもののみならず、間接的に関係がありそうなもの、また何だか気にかかるものまで広く集めることが重要なのである。
 今回、役員会での資料を見て「問題」だと思い、専務理事、役員、経理課長、税理士の意見や経理の本と多くの事実発見をした。そして真の問題は「総会資料の間違いを正す」ことではなく、「定期預金の実務での扱いを明らかにする」ことであると気付き問題は解決した。問題にぶつかった時には、冷静かつ意欲的に「事実」を発見することが大切さであると改めて実感した次第である。 
 
 

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