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2001年9月

ニワトリ

 最近、自宅の近くで「コケコッコー」と鳴く雄鶏の声がよく聞こえる。雌鶏もたくさんいて、このニワトリ達は去年から我が家の近くの広い畑で飼われており、まわりの梨畑や近所の道を散歩(?)しているのをよく見かける。
 先日も随分近くで雄鶏の鳴き声がするので外に出てみると、茶色の雌鶏が3羽ほど我が家の前のアスファルト舗装の道を畑のほうにトットットと走って行くのが見えた。 しかし、「コケコッコー」という声が間近に聞こえるものの雄鶏の姿は見えない。よくよく声のする方を探したら、何と向かいの家の庭の草陰に雌鶏を2羽従えて雄鶏がいるではないか。この庭は道路から2mくらいは高くなっていて、アーチ型のフェンスもあるので、ニワトリ達が道路から飛び上がったとは考えられず、きっと玄関の階段を上がって庭に入ったのだろうと思うと、人間なら家宅侵入罪だろうけれどニワトリならそんなことも言われないなあと一人笑ってしまった。この話を末っ子の宏建(ヒロタケ)に話すと、「ボクも見たい」と言う。そこで二人で「コケコッコー」を頼りにニワトリを探すと、今度は我が家の裏のお宅の庭に数羽の雌鶏と一緒にしきりに土を突っついて餌を探している雄鶏がいた。この家の人の話では、庭に入ってきたのは今日が初めてとのこと。さては段々ずうずうしくなって訪問先を広げているのかなと、またまた笑ってしまった。
 その後のある日の夕方、息子が畑の中にあるニワトリ小屋を見たいと言うので、ちょうど畑仕事をしておられた飼主のご夫婦に話して見させてもらった。止り木に止まっているのが多かったが地面にうずくまっているのもいた。ニワトリというと狭いゲージに入れられてひたすら目の前の餌をつっつくニワトリを思い浮かべるのに、このニワトリ達は両面がガラスで覆われ、つたのような植物まで植わったジャングルのようなアーチ型の小屋に住み、さぞかし安眠できるだろうと思った。見学した後ご主人から聞いたニワトリの話がとても興味深かった。このニワトリは赤鶏で、雄1羽と雌11羽であること、雄鶏の支配が及ぶ雌鶏の数は7羽で残り4羽がはぐれ鶏になり、このはぐれ鶏が小屋に帰るのが遅くなるとご主人が捕まえて小屋に入れるが、それは鳥目なので暗くなると小屋が分らなくなるからだということ、雄鶏は、ミミズを見つけ出しても自分は先に食べず雌鶏に食べさせること、雌鶏が足を踏まれたりして鳴き声を上げると、雄鶏は韋駄天走りですっ飛んで来ること、雌鶏が畑の周りにめぐらせてある網を飛び越えようとすると雄鶏がやって来て、その雌鶏の頭をコツコツと突っついて注意すること、雌鶏同士が喧嘩すると、悪い方の雌鶏を雄鶏が追いかけまわすこと、などの話を聞かせていただいた。
 英語でbird・brain(鳥の脳)というと、「ばか、とんま」ということだが、雄鶏のリーダーシップや雌鶏への気遣いを聞けば、この言葉はニワトリには当てはまらない。むしろリーダーシップや気遣いにおいては雄鶏以下の人間も沢山いることを思うと、bird・brainは鳥に対して失礼な言葉にさえ思われる。さらに、ニワトリなど人間以外の動物も、生きるために人間と同様に他の動物を殺して食べはするが、人間がするテロは絶対にしないと考えると、人間とは何と愚かな動物なのかとつくづく思う。9月11日にアメリカで起きた悲惨で卑劣な中枢同時テロによる犠牲者の方々のご冥福を心から祈ると共に、自分も、「時にはニワトリより劣る愚かな動物である」との自覚を失ってはいけないと思った。 

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