本文へ移動
朝日建設株式会社 本社地図
0
5
2
2
7
0

2001年10月

大臣表彰とイチロー

 10月1日に東京で、第30回情報化月間における情報化促進貢献企業として国土交通大臣表彰を受けた。当社は企業としての大臣表彰受賞はこれで5回目である。昭和52年に心身障害者雇用優良事業所、昭和62年に高齢者雇用優良事業所、平成元年に優良雇用改善事業所として3回の労働大臣表彰、平成10年に建設産業人材確保・育成キャンペーンの事例発表「我が社の輝く女性技術者たち」で建設大臣表彰、そして今回の表彰である。
 労働大臣表彰では、1回目の受賞は身障者の多数雇用といっても意識的に身障者を雇用してきたからではなく、たまたま当時雇用していた現場の従業員に肉体的障害を持つ人が多かったことからの受賞であり、また2回目の受賞も、私が昭和50年に当社に入る以前の昭和49年から実施されていた65才定年制のおかげであった。平成3年の雇用改善優良事業所については、「技術者も技能者も対等である」という私の考え方から、作業員・準社員という呼称に付随して、賃金形態や雇用、福利厚生面で技術職の社員との間に多くの差別があった技能職の従業員に対して、社員化や選択月給制度の導入を始めとする多くの平等化施策を実行してきた私自身の経営方針、戦略に対する受賞であったので嬉しかった。この3回目の受賞の時、「全国の建設業者の中で、労働大臣表彰受賞の三冠王という会社は朝日建設が初めてだろう」と県庁の関係者から言われたことを今でも覚えている。
 平成9年の建設大臣表彰は、富山県建設業協会から建設産業人材確保・育成キャンペーンの事例発表を依頼され、男女雇用機会均等法の施行を機に私が平成3年から取組んできた女性技術者の採用と育成について原稿を書いたら、最優秀賞である大臣表彰に選ばれたのであった。これも、私の経営方針、戦略に対しての受賞であったと言える。
 そして、今月国土交通大臣表彰を受賞した「携帯電話によるアスファルト合材の発注システムの開発」も、私が入社した翌年の昭和51年から今日まで取組んできたコンピュータ活用の延長線にあるもので、今で言うところのIT戦略が認められたものだと思う。
 さて、10月9日の新聞には"イチロー堂々2冠 首位打者・盗塁王"の見出しが踊った。そして「首位打者と盗塁王を獲得したが」との質問にイチローは「いろいろな結果が出たが、それは人との比較。自分自身の力をある程度出せたことには満足している」と答え、「この二つのタイトルを獲得する新人は大リーグ史上初めてだが、感慨は?」の質問に対しては「ありません。結果も大事だけれど、プロセスの方が大切。先にも言いましたが、そういう意味では満足してます」と答えている。この一問一答から、私はイチローの偉大さを感じ、ますます好きになったが、それと同時に自分の経営に対するスタンスを考えさせられた。
 全国の建設会社の中で、大臣表彰を5つ受賞したという会社はそんなにあるものではないと思う。しかしイチローが言うように、「結果も大事だけれど、プロセスの方が大切」であり、建設経営に対してどんな思いを抱いて、どの様に日々の経営を行っていくかというプロセスが大切でなのあり、その結果が表彰につながることもあるということだ。これまで大臣表彰以外にも結構いろいろ企業表彰されてきた。しかし、建設産業を取り巻く環境は過去に経験したことのない厳しさであり、結果としての表彰の数がその企業の存続を保証するものではないことは自明である。
 イチローはこうも言っている。「シーズンを通して(ベストを尽くすための)準備を怠ったことはない」と。当社が「過去に獲得したタイトルにあぐらをかき、ベストを尽くそうという気概はさらに無く、準備不足のまま打席に立ち、バットを振ることも出来ずに見逃しの三振。それでもへらへら笑いながら引き返し、来シーズンも球団が契約してくれると思っている」ようなおめでたい野球選手になってはいけない。その為にも、選手を率いる監督たる私の責任の重さを痛感している。 

 

TOPへ戻る