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2001年11月

読書

 私には4人の子どもがいる。3番目の葉子が生まれたのは昭和60年の2月で、その頃私は富山青年会議所の副実行委員長として、翌年の昭和61年秋に富山で開催することになって いた日本青年会議所全国大会の準備に、毎晩遅くまで駆けずりまわっていた。その全国大会が終わって妻が私に言った。「葉子は言葉を話すのが遅い」、そして「和夫さんは、上の子達の時はよく本を読んでやっていたのに」と続いた。その言葉に愕然としたが、言われてみればその通り。そこで、早速葉子に毎晩本を読んで聞かせたが、彼女が特に気に入ったのは「こぶたはなこさんのうんどうかい」、「こぶたはなこさんのたんじょうび」などの「こぶたはなこさん」  シリーズであった。当時は一晩に13冊読んだことも覚えているが、今このシリーズを数えると6巻なので、一晩に同じ本を2回読んだのか、それとも違う本も読んだのだろうと思う。  効果はてき面で、それから葉子がしゃべるようになったと妻は言う(私はあまり覚えが無いのだが)。今では最も読書が好きなのはこの子であり、彼女が今はまっているのは「ハリーポッター」シリーズ。これは、私が次男に読んでやろうと思い、世界中で大評判になっていると  いう「ハリーポッター」の最初の2巻、「ハリーポッターと賢者の石」と「ハリーポッターと秘密の部屋」を買ったのだが、なかなか読み出せずにいたら、葉子が「読んでもいい?」と聞いてきて2、3日で読んでしまった。第三巻も自分で買ってこれもすぐ読み終え、まだ邦訳されていない第四巻は原書を買ってきた。私は、「これで娘の英語が上達する」と喜んでいたのだが、これは甘かった。多分まだ1ページ目も読み終えていないのではないかと思うが、その代わり毎晩インターネットで「ハリーポッター」関連のホームページを見るのを楽しみにしている。
 ちなみに他の子ども達のお気に入りだった本は、今は大学生の長男と長女は「ピーターラ ビット」シリーズ、小四の次男はつい最近まで、馬場のぼるの「11ぴきのねこ」シリーズである。どれも良い本だと思う。
 私は、子どもたちに本を読んであげるのは親としての当然の義務の様に思っていたが、むしろ楽しみであった。子どもの本を買いに本屋に出かけるのも実に楽しかった。これは多分に、小さい頃母が私や弟によく本を読んでくれたからだと思う。今でも覚えている作者の名前は、小川未明、坪田譲二、村岡花子、浜田廣介、アンデルセン、グリムなどである。小学4年生のとき母が買ってくれて今でも好きな本は、石井桃子の「ノンちゃん雲に乗る」だ。この作者の「三月ひなのつき」は、私が買ってどの子かに読んであげたように思う。また、当社の本社の階段や事務室には元永定正の版画がたくさん飾ってあるが、元はと言えば母が好きな画家である。母は本屋で元永定正の絵の「もこ もこもこ」(谷川俊太郎 作)という絵本を見つけ、孫に買ってくれた。この絵本はみんな大好きで、何度も読んで今では大分痛んでいる。母が私の子ども達に買ってくれた絵本は、他にも「くまのコールテンくん」や岸田衿子・文の「なにをたべてきたの?」があるが、どれも子ども達のお気に入りだ。
 私が小学1年生か2年生の時、将来何になりたいかを作文に書かされ、「さっか」と書いた。担任の先生に「サッカーの選手?」と聞かれたが、私は「作家」を上手く説明できなかったことを今でも覚えている。「作家」と書くとはずいぶんませていたと思うが、母にいつも本を読んでもらい、本が好きになっていたからそう書いたのだろう。作家にはならなかったが、こうして毎月コラムを書くのも、頼まれて時々雑誌に原稿を書くのもほとんど苦にならないのは、母のおかげだと思う。 
 最近、小さな子どもを虐待して死なせる親のニュースが多いが、「人間は、人間として育てられなければ、人間になれない」と聞いたことがある。読書も人間ならではの行為であり、人間に育ててくれた母に感謝すること大である。
 

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