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2001年12月

イチローとMVP、そしてISO

11月20日、米大リーグ、マリナーズのイチロー外野手が、アメリカン・リーグのMVP(最優秀選手)にかがやいた。日本人では初めてであり、新人王とのダブル受賞は、100年以上の歴史がある米大リーグでも26年ぶり2度目の快挙とのことで、大変嬉しく思った。この社内報の10月号で「大臣表彰とイチロー」のタイトルでコラムを書いた後、イチローのMVPの可能性が報じられるようになり、見事に獲得。おかげさまでイチローにからめて、またこの原稿を書ける。
 イチローのMVPはMost Valuable Playerで最優秀選手だが、私のMVPは Mission Value Prideで"使命"、"価値"、"誇り"である。これは、私が参加している異業種交流会で、我々の先生格であるアイバックの小澤社長から1年ほど前に教わった言葉で、「アメリカの強い軍隊では、第一線の兵士のMVPが高い」というのだ。即ち、与えられた任務をやり遂げようとする気概(使命感)を持ち、何を価値と考えるか(価値観)がシッカリしていて、こんな恥ずかしいことはしたくないという思い(誇り)が強いというのである。私はこの話をすぐに社内会議で幹部社員に紹介したが、今年になってクレームが異常発生し、社員を叱ったり、役員や関連部門の社員と協議したり、自分自身で考えたりする中で、わが社に今一番足りないのはこのMVPだと気付いた。
 わが社は1999年6月にISO9002の認証を自力で取得した。富山県の建設業者の中では早い方であった。認証取得後も生真面目に内部品質監査を実施してきた。ISO用のコンピュータソフトも導入して、ペーパレス化、情報伝達のスピードアップ、情報共有体制の向上を図ってきた。工事課では、朝礼時に全員で「品質方針」、「品質目標」を唱和しているのも確認している。私が作った当社の品質方針は『私たちの仕事は お客様に満足してもらうこと。満足の一つに確かな品質がある』であり、これを受けての土木部工事課の品質目標は『私たちは、お客様からのクレーム0件を目指す。確実なミーティングによりお客様の要求を全員で理解し、統一された目標をもって作業します』である。
 しかし、ISOを認証取得してから、不適合は年々減ってきたのにクレームが今年いくつも発生した。思い返せばISO導入の当初から、ISOを認証取得したからといっても各社それぞれのレベルがあり、品質のレベルにも違いがあることは認識していた。しかし、このクレーム続発に遭遇してISOの認証取得でわが社がのぼせ上がっていたことに気付かされた。ISOを認証取得した建設会社にはミスが無いなどと言うのは幻想であることも実感した。現場に従事する技術職社員も技能職社員も全員がお客様の要求するレベルの品質の建設物を、工期内に安全に施工完成させるという価値観の元に、いかなることがあってもそれをやり遂げるという使命感を持ち、建設業に働く者としてのプライドがあれば、ISOなど無くてもクレームはまずは発生しないと断言できる。
 10月「この二つのタイトルを獲得する新人は大リーグ史上初めてだが、感慨は?」の質問に対してイチローは「ありません。結果も大事だけれど、プロセスの方が大切」と答えている。プロセスを大切にするMVPの強い社員を育てることが、結果として「クレーム0」や「お客様に満足してもらうこと」につながる。ISOというシステムはそれをサポートするだけなのである。 

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