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2002年4月

新学習指導要綱

 この4月から公立の小中高校で完全学校週5日制が始まった。そして、「ゆとり教育」で授業時間が年間で一割、学習内容が三割減り、「総合的な学習」が取り入れられる新学習指導要領は小中学校では今年から実施され、高校では来年から実施される。
 一昨年の2月に総合的学習推進の中心人物といわれる文部省政策課長(当時)の寺脇 研氏の基調講演「総合的な学習がめざすもの」を聞いたが、どの学科も平均的な金太郎飴ではなく子供それぞれの個性を伸ばすのが総合的な学習という内容だった。なるほどと思ったが、次の"総合的学習におけるワークショップの進め方"という分科会で、この分科会に参加するような熱心な先生でもかなり戸惑っている様子から、総合的な学習が実際に行われても果たして成果があがるのだろうかと少し不安に思った。
 その後、「円周率を"3.14"ではなく"3"で教える」や「中学英語の必須単語が507語から100語に減る」などに代表される学力低下論を新聞紙上で読み、教育関係のセミナーや  ホームページで新学習指導要領の問題点や危険性の指摘を見聞きするにつけ、この新学習指導要領では「ゆとりと個性重視」は実現されず、ますます学力低下をきたし日本の将来を危うくするとんでもないシロモノだと思うようになった。
 案の定、新学習指導要領実施の今年になって、学力低下を心配する世論を気にして1月に遠山文部科学大臣が出した「学びのすすめ」というアピールで「放課後の時間などを活用した補充的な学習や朝の読書などを推奨・支援するとともに、適切な宿題や課題など家庭における学習の充実を図ることにより、子どもたちが学ぶ習慣を身に付ける」と言い出した。授業時間の削減との整合性をどう説明するつもりなのだろうか。
 また、「学校において特に必要がある場合には、(学習指導要領に)示していない内容を加えて指導することもできる」と小中学校の学習指導要領の総則には書いてあり、「学びのすすめ」で学習指導要領の最低基準性が一層明確になったと言われている。これも曲者(くせもの)。最低基準が下がれば下がるだけ全体のレベルが下がると考える方が順当だろう。昭和52年から始まったゆとり教育の推進によって学習内容が引き下げられ続けたことが今日の20代の学生や社会人の学力低下、知的レベルの低下をきたしたと考えるのは私だけではない。資源は人材しかない日本なのに、文部省の役人が良かれと思ってのことではあろうけれども独りよがりに考えた政策で、日本人の知能が低下させられ日本の将来を危機に陥れるのだ。この責任を誰が取るというのだろうか。
 新学習指導要領は、子どもの学力において、私立と公立の学校の格差、私立の学校のある県と無い県の格差、塾に通う子と通わぬ(通えぬ)子の格差、先生の能力の違いによる格差をこれまで以上に際立たせることにもなろう。私は義務教育においてはどの子にも教育の機会と環境が均等なレベルで与えられるべきだと思うが、この点からも小中学校段階での種々の格差は許されるべきではないと考える。
 小五の次男を新学習指導要領の被害者にしないために今こそ親の出番と心得て、今年の正月、風呂で九九をさかさまに言う特訓を始めたら、すぐに上手に言えるようになった。電卓より暗算の方が脳を活性化させると聞いたからだ。詩の本を音読させてもいる。美しい日本語を大切にしてほしいからだ。親の自衛だけが日本を救う。
 
 
 

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