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朝日建設株式会社 本社地図
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2002年5月

Mさんへの供養

  当社のMさんが5月15日に急逝された。17日の葬儀で、当社を退職された現場のお母さん方から、「本当に仕事熱心な人だった」、「ローラーで転圧してから、ローラーから降りてしゃがみこんで、仕上り具合をいつも確認していた」、「私達にも、『未だアスファルト(合材)が熱いから、もう少し冷めてからローラーをいれなければクラックが入る』と教えてくださった」など、故人をしのぶ言葉を聞いた。
  前日のお通夜では、Mさんから公私共に世話になった女性技術職社員たちは涙をこらえることが出来ず、また、退職後ほとんど顔を合わせたことの無かった技術職の男性も沢山訪れたと聞いた。Mさんの人柄ゆえのことだと思った。
 Mさんのお母さんからも、仕事に対する責任感が強く、朝6時には会社に出かける仕事いちずの息子だったと聞かされた。
 さて、本格的な淘汰の時代に入った建設産業において勝ち残る為には、社長の私が「世の中の役に立つ」と「人は経費ではなく資源」を確固たる経営理念として常に意識して行動し、この経営理念を全社員と共有することがもっとも大切だと考えている。その上で「世の中の役に立つ」ために、直営施工という当社の特色を生かし、「経費ではなく資源」である技術者と技能者が、共に「お客様に満足してもらう」ために常に腕を磨くことによって、世の中に必要とされ続ける会社になることである。安易なリストラや、議員に頼るなどといった姑息な手段に走ってはならない。
 そこで昨年からの技術者教育の実施に続いて、技能者教育にも取り組もうとしていた矢先の、ローラー作業では当社のトップクラスの腕を持ち、誰からも好かれたMさんの52歳の死は、これからの若手技能者教育に欠かせない人材であっただけに、私にとっても会社にとっても痛恨の極みだ。
 旧建設省が、建設産業における「不良不適格業者の排除」を言い出して10年以上たつが、未だに発注者側からも施工者側からもそれが言われている。「不良不適格業者の排除」が政策として打ち出されるとは全く情けない話だが、技術者が足りなく、受注した工事を一括下請け(丸投げ)する業者、施工能力が無いのに施工実績があるというだけで指名され受注し、丸投げする業者、完成工事高や技術者数を水増しして、経営事項審査の点数を上げる業者、下請けや資材業者の値段を叩くだけの業者、安全管理に留意せず、労災事故を隠す業者、政治家を使って、発注者に圧力をかける業者などなど、お粗末な建設業者が富山にも全国にもいるのは紛れの無い事実である。
 国土交通省は今年2月、アスファルト舗装工事の望ましい施工体制の在り方を探るため、学識経験者、発注者、施工者で構成する「アスファルト舗装工事施工体制研究会」を設置したが、施工者の一人として私も参加した。4月に発表した提言には「技術者、技能者、作業員、施工機械、資材の適切な配置・調達、特に優秀な技術者と能力の高い技能者の確保と両者のチームワークが大切」と書かれている。まさに当社が目指すべき方向を再確認した思いである。
 まともな建設業者として発展することが、Mさんに対する一番の供養だと思う。

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