本文へ移動
朝日建設株式会社 本社地図
0
5
2
2
7
0

2003年6月

まちづくり北欧視察ツアー報告

 6月8日(日)に成田を発ち、9日から14日までの6日間、デンマーク、スウェーデン、ノルウェーの北欧3カ国を視察し、16日(月)に富山に戻った。
 このツアーは、私が参加しているNPO法人信州まちづくり研究会が主催したものである。案内文の中の「価値観とライフスタイルの違う国の"まち"を見、レクチャーを受けてそのギャップを認識し、これからの"まちづくり"に役立てましょう!」という一節と、行程表の中にあった「高齢者施設でのランチ」に引かれて参加した。
 国も地方も財政難で公共事業が減り続け、有識者と呼ばれる人々やマスコミが「公共事業不要論」や「公共事業悪玉論」を、さも正論のように語る今日である。公共土木工事の施行を主体とする当社が、これまでと同じやり方をしていては生き残ることはできない。
 そして現下の建設業界は、工事原価を度外視したダンピング受注が横行し、技能者はもちろんまともな技術者もいないのに、声の大きさやずる賢さ、はたまた政治屋を使って受注する"不良不適格業者"のほうが生き残りやすいというのが実態である。
 しかし当社は、"受注の確保と工事原価の削減という当たり前のことを、当たり前に徹底して本気でやる"という正攻法で目下経営に当たっている。
 だが、次の時代に真に地域に必要とされる建設業者として存続するためには、"受注の確保と工事原価の削減"だけでは駄目であり、それにプラスして、「まちづくり」の視点を取り入れた経営が必要だと常々思っていた。人間の生活と離れたところに建設業はありえないし、過疎化しさびれていく地域に建設の仕事はいらないからだ。
 今回のツアーに参加したのも「まちづくり」のヒントを求めてのことであったが、北欧3国の三つの都市を駆け足で回り今後の経営の確かなヒントを発見できた。
 ストックホルムでは、都市計画(インフラ、交通政策、再開発など)についてレクチャーがあり、レクチャーに沿って新しく建設中の住宅地や再開発地区を訪問した。
 コペンハーゲンでは、グローバル・エコビッレジ・ネットワーク本部のロス・ジャクソン、ヒルダー・ジャクソン夫妻から、持続可能なライフスタイルを求めているエコビレッジ(環境村)について説明を受けた後、2ヶ所のエコビッレジを訪問した。また、市内でも郊外でも、歩道と車道の間にシッカリ区別して設けられている自転車道に感心した。
 歴史的建造物を保護しながらまちづくりを進めているノルウェー第2の都市ベルゲン市では、市の遺産管理局長によるレクチャーの後、ユネスコ世界遺産に指定されているブリッゲン地区を視察した。中世に建てられた木造家屋に生活が息づいていた。
 三つの都市でそれぞれに違った「まちづくり」に触れたが、共通して感じたのは町並みの美しさであり、暮らしてみたいと思わせる雰囲気であった。それは官(役所)が民(民間)を強制したのでもなければ民の好き勝手に任せたのでもなく、官と民がじっくり協議し、あるいは民が主導した形でまちが作られていることを知った。
 ツアー参加者の言葉で印象的だったのは、「日本では歴史の史実は教えても、歴史観は教えていない」であり、「日本ではパブリック(公共、公的)とプライベート(私的、個人的)という考え方が明確ではない」である。日本にはないこれらの考え方がヨーロッパにはあるから、歴史的な町並みが保存され、建物の外観、色調、高さがバランスよく統一されるのだと思う。日本に戻ったら、色とりどりの屋根や看板、無粋な電柱、でこぼこのスカイライン、無秩序な町並みが非常に汚く感じられた。
 今後は「まちづくり」をシッカリ勉強し、主体的に「まちづくり」に関わり、積極的に提言していきたいと思っている。 
 
 

TOPへ戻る