本文へ移動
朝日建設株式会社 本社地図
0
5
2
2
7
0

2003年11月

あさひホームの経過報告

 早いもので、4月1日にあさひホームを開設してもう8ヶ月たった。
 老人介護事業への進出を決めたとき、最初の1年目はどこでも赤字という話を聞いた。しかし、おおいに設計にこだわり、明るく気持ちの良いグレードの高い建物になったと自負していたので、利用者が殺到して1年目から収支トントンになるかもしれないと思わないでもなかった。
 また、介護スタッフが定着するまでには最低1年間はかかるとか、本当に落ち着くまでには3年くらいかかるかもしれないという話も聞いた。しかしこれも、優秀だと見込んで私が採用したスタッフなのだから3ヶ月もすれば落ち着き、私の目指す介護が行われるようになるだろうと思っていた。
 しかし、いずれの予想も甘かった。
 4月1日から9部屋全部埋まるだろうと思っていたグループホームは、4月が4人。でも一人また一人と増え現在は7人となり、年内には満室になる予定だが、利用者とスタッフの慣れを考えれば、段階的に入居者が増えて良かったと言える。全室トイレ付きの9部屋のショートステイは、当初は毎日2、3名しか利用者がなかったが、徐々に増えてきて10月下旬に満床になり、その後は満床に近い日が続いている。定員20名のデイサービスは、7月になっても平日に10名を超える日は少なく、日曜日はゼロの日も多かった。だが、ようやく最近20名を記録した。このように9月まではなかなか利用者が増えなかったが、10月から急速に増え、それに反比例して毎月の赤字額は減ってきてはいる。しかし、初年度から収支トントンの思惑は、文字通り「捕らぬ狸の皮算用」であった。
 介護スタッフも、本人の資質や個人的な事情、あるいは私の運営方針への反発などで退職する人が半年間で数人にのぼった。開業してすぐのホーム長(施設長)の退職には、朝日建設から丸田経理課長の出向というウルトラCで対応した。介護事業の要である介護長も、3人目の向野さんでようやく落ち着いた。しかし、介護と看護のとらえ方の違いから来る意見の相違、そこから派生する利用者への対応の違いにはずいぶん悩んだ。スタッフの定着についても、私の認識が甘かったと認めざるを得ない。
 しかし、私は開業してからも多くの介護や医療関係の本を読み、セミナーやフォーラムに参加し、県内外の施設にも出かけ、何よりもあさひホームを利用するお年寄りに接しながら、老人介護に関する私の考え方を固めてきた。そして、その思いを朝のミーティングでスタッフに繰り返し話してきた。デイサービスの風呂に最近手すりがついたが、これは風呂での個々の利用者の状態をずっと観察してきたスタッフが取り付け位置を決定したものだ。開業当初は、機械浴を絶対に導入しないという私の考え方に異議を唱えるスタッフもいたが、今では機械浴は話題にならない。
 あさひホームの運営理念は "「私たちの仕事は お年寄りに満足してもらうこと。満足を測る物差しのひとつに心からの笑顔がある。」この笑顔とは、お年寄りだけではなく、家族も介護スタッフも含んだ皆の笑顔である" というものだが、朝日建設のISOの品質方針に倣ったものであり、共通するのは「満足してもらうこと」である。
 お年寄りやご家族からクレームがあったこともある。スタッフのいらだった言葉や困惑した表情を目にすることも無いではない。しかし確実に、"これが「あさひホーム」"といった雰囲気がただようようになってきた。私は何人ものお年寄りから「楽しいから毎日来たい」、「ここは極楽」、「ありがとうございます」と話しかけられ、ご家族からも心からの感謝の言葉を聞いている。またスタッフも「車椅子のTさんが、歩く練習を始めています」、「Sさんがトイレで用足しされました」などと嬉しそうに報告してくれる。まさに「満足」の共有であり、思い切ってこの事業を始めて良かったと思っている。
 一方、公共工事が主体の朝日建設においては、発注者からの評価を聞いたり伝えられたりすることはあっても、真のお客様である納税者(国民、県民、市民、町民)の満足を感じる機会はほとんど無い。あさひホームとの違いであり、ここに朝日建設の今後目指すべき方向が見えてくる。
 

TOPへ戻る