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2004年2月

あさひホームで出会った話−5

 2月8日の日曜日の午後、介護アドバイザーの青山幸弘さんに、ミーティングを通じてあさひホームのスタッフの指導をしてもらった。青山さんは、参加したスタッフ十数名全員に「あさひホームの良いところ、悪いところ」を話させた。私も話した。良いところもいろいろ出たが、悪いところとしては「元気の無さ」や「スタッフ同士の話し合いやコミュニケーション不足」、「利用者との関わりに十分時間が取れないこと」などが目立った。「話し合いやコミュニケーション不足」に関しては、その場で意見交換が始まってお互いに納得した事柄もあり、私も改めてコミュニケーションの大切さを実感した。そしてコミュニケーションが大切だと口で言うだけでなく、介護の実践を通じて心から理解しあわなければ何の意味も無いことも学んだ。
 さて、「良いところ」の発表の中で、私がとても嬉しく聞いた報告があった。それは、95歳のHさん(女性)についての話である。送迎の車の中で、「今まではいつ死んでもいいと思っていたけれど、今は生きていて良かったと思う。ここに来るようになったおかげで」と話されたというのである。
 私は、多くのお年寄りから、「ありがとう、ありがとう」という言葉や「極楽、極楽」という言葉を聞くたびに、思い切って老人介護事業を始めて良かったと思うのであるが、「生きていて良かった」という言葉には感激した。社長冥利に尽きるとはこのことだろう。
 このHさんは、他の施設でのデイサービスでは話し相手がいなくて、あさひホームを紹介されたそうだ。当ホームのデイフロアーでは、軽い難聴があって特定の方としか話されないが、とても楽しそうな様子だという話も聞いた。
 確かにあさひホームのデイフロアーは、いつ行っても和やかでにぎやかだ。よその施設でよく見かける、ほとんどのお年寄りが表情もなくテーブルを枕にうつ伏して寝ているという光景は見たことがない。特にTさんが来ておられる時は一段とにぎやか。「ここでしゃべれないのなら、家にいても同じこと。耳が遠いため声が大きくて、皆さんやかましいかも知れないけれどよろしくお願いします」と前置きされ、いつも大きな声でおしゃべりしている。じつに楽しそうにしているおばあちゃんである。
 私もHさんにお会いしたときは声をかけるのだが、話される言葉に富山弁が出ず、とてもきれいなので聞いてみたら、千葉県生まれとのこと。週1回のご利用だが、これからはもっとHさんと話したいと思っている。
 Hさんについて話してくれたスタッフから、82歳のIさん(女性)の話も聞いた。この方は独居であり、家にひとりいると寂しいということで、デイサービスを週2回利用されている。グループホームに住んでいるYさんや、スタッフのMさんと住まいが近所ということで、徐々にホームになじんでこられたとのこと。2月に入って、「ここのことを知らなかったら、この冬どうしていたかと思うと、本当にありがたい」といつも言われるそうだ。
 いろんな利用者がおられる。私自身、「あ〜、つまらん、つまらん。ここにはおいしいものが何もない。早く夕食にしてくたはれ」と嘆くショートステイのおばあさんの相手をしたこともある。多くのスタッフが対応に苦慮したおじいさんやおばあさんも何人かおられた。朝のミーティングで前日の様子を聞けば、介護の難しさを思い知らされる。また、このコラムで以前紹介したように、私が追い求める介護と本人の思う介護とのギャップで退職していくスタッフの問題もある。経営的にも非常に厳しい。
 しかし、今回紹介したHさんやIさんの話は、「生活リハビリ」を基本にしながらも、あさひホームらしい老人介護の仕方を作り上げたい、そして第2、第3のあさひホームを作り、富山のお年寄りの役に立ちたいという私の思いを力強く後押ししてくれる。
 これからも、あさひホームの運営理念の"心からの笑顔"と、笑顔と一緒に話される素敵な言葉にたくさん出会えるものと思っている。 
 
 

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