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2004年6月

あさひホームでの「業務改善」

 「あさひホーム開設一周年の感想」と題した4月号のこのコラムの締めくくりは、「良い建物でよい介護をすればするほど利益は出ない。出ないどころか赤字になる可能性が大だ。だから経営としては遣り甲斐がない。しかし、嘆いていても仕方がない。(中略) この難問にチャレンジするのも経営者として遣り甲斐があることだと、プラス思考することにした。」である。
 正直、あさひホームの経営は苦しい。実際、赤字である。ようやく今年3月、4月と減価償却前でわずかの黒字になったものの、累積赤字は予想以上だ。そのことを介護スタッフも分かってくれていて、あさひホームでは数々の経費節減策が講じられている。
 経費節減の最たるものは、「無料で物品をもらってしまう」というものだ。そのことを最初に知ったのは、デイサービスフロアに置いてある立派な雛飾りだった。どうしたのかと尋ねたら、富山市役所の「ゆずります、もとめます」係に電話し、譲りたい方と直接交渉して無料で手に入れたと聞きビックリ。その後も、武者飾り(譲ってくださった方は利用者の娘さんであった)、布製ソファー(ショートステイの廊下に設置)、皮製L字型ソファー(二つに分けて2ヶ所で使用)などを次々に無料でゆずってもらっている。また、何人ものスタッフが自宅からいろんなものを持ってきてくれている。先日は、当社の「フリーマーケット」で電子レンジも手に入れている。
 当社では、今年4月から毎月26日を報告日として「業務改善」をスタートした。ノーツ上のデータベース「業務改善」にはなるほどと感心する事例があるものの、まだまだ報告数が少ないように思う(報告されていないものがかなりあるのではないかと、善意に解釈してはいるのだが)。
 しかし、あさひホームでは実に多くの安上がりの「業務改善」が日常的に行われている。テーブルの配置など、毎日変わっていると言っても過言ではないくらいで、グループホームにある4つの台形テーブル(2つ合わせると六角形)などは、こんな組み合わせがあるかと感心するほど面白い形が次々に生み出されている。手間をかけず、カネをかけず、知恵を出し、工夫するのが改善。テーブルの配置換えも立派な改善だと思う。
 また、青山介護アドバイザーの指導で、男性スタッフの山田さんと深井さんが、全介助を必要とするTさんのために、カーマで買ってきたイレクターパイプで入浴のときに使うTさんの体に合わせた特別な椅子を作った。この後山田さんはイレクターパイプにはまり(?)、歩行器、4人分の脱衣かごの仕切り兼立ち上がり用の手すり(うまく表現できないが)、通行人に見せるための大型行事案内掲示板(これは女性スタッフとの共同作業)などをイレクターパイプで次々に製作している。Nじいちゃん用に作った歩行器は家族が買い求められ、廊下が狭くて既製品の歩行器が使えない自宅で大変重宝されているとのこと。大したものである。
 改善と言うにはすこし大掛かりだがこれから実施されるのが、現在物干し場になっている脱衣室横のスペースを第2脱衣室に変更することである。脱衣⇒入浴⇒汗さまし⇒着衣という一連の流れを考えて第2脱衣室が提案された。当初私は、吊り戸の上の鴨居と天井の間はエアコンの冷気が入るようにオープンにしようと考えた。しかし入浴委員長の満保さんから、「女性は隙間が開いていると脱衣のとき気になるので、オープンはまずい」とのヒアリングに基づいた発言を聞き、ガラリにすることにした。出来上がってからの利用者の反応が、今から楽しみである。
 第2脱衣室を作ることから、新たに物干しのためのテラスを庭に作る案も出ている。これもスタッフでジックリ意見交換しながら進められることだろう。
 あさひホームに出かけて嬉しく思うのは、第一に利用者のお年寄りの楽しそうな様子であるが、利用者の立場にたっての改善が即実行されていることに気付くのも大きな喜びになっている。
 朝日建設の品質方針で「私たちの仕事はお客様に満足してもらうこと」と言い、あさひホームの運営理念で「私たちの仕事はお年寄りに満足してもらうこと」と言っている。満足してもらうことに喜びを感じる朝日建設社員であり、あさひホームのスタッフであってもらいたい。そのために改善にも大いに意欲を燃やして欲しい。 

 

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