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2004年10月

素朴な疑問

 わたしは毎朝ビニール袋を破り、クリーニングしたワイシャツを取り出す。そして台所に行き、襟 の裏に入っているボール紙は納戸の中の箱へ、ビニール袋はプラスチック製品を入れるための大きな ビニールのごみ袋に入れていた。分別回収に協力していたつもりだった。
 しかし数ヶ月前、妻に「クリーニングのビニール袋は、入れてはいけないのよ」と言われた。なぜか と尋ねると、分別回収の説明書にそのように書いてあるという。ワイシャツを買ったときのプラスチッ クの袋は良くてクリーニングの袋はダメとはなんともおかしな話だと思った。袋に「プラ」の表示がな くても、同じような材料だから良いのではないかと思ったのだ。素朴な疑問である。でも、妻に文句を 言っても仕方がないので、なぜダメなのかの理由を調べないままに妻の言葉に従った。枕元にほったら かしのクリーニング袋は、妻が燃えるごみとして処分してくれるようになった。
 9月末に、ロータリークラブの職場訪問で?プリテックを見学する機会を得た。プリテックは富山市 海岸通りのエコ産業団地の中にあるプラスチックリサイクル施設だ。ガラス窓越しに施設の全工程を見 渡せる会議室で、搬入されたプラスチック廃棄物がリサイクル製品になる工程の説明を受けた。説明が 始まる前に、女性社員に「なぜクリーニングのビニール袋はリサイクルの対象外なのですか」と尋ねる と、「クリーニングのビニール袋は、クリーニング屋さんがサービスとして洗濯物を入れる袋だからです」 というなんとも不思議な回答。この女性が工程の説明をしてくれ、ベルトコンベヤーの両側に立った女 性たちが手選別する工程で、「プラスチックではない物、また、プラスチックであっても容器包装でない 物を手でより分けている」と説明した。「プラスチックであっても容器包装でない物」はリサイクルしな いというのだ。どうも法律でそのように決まっているらしい。
 帰宅し、妻から分別回収の説明書をもらった。富山市からの「家庭ごみの分け方・出し方」には、「資 源物(容器包装)の種類と出し方」が記載してあり、その中の「プラスチックの容器包装」に、ポイン トとして「ハンガー、まな板、ポリタンク、プランター、おもちゃ、バケツ、食料コンテナ(タッパー) は容器包装ではないので燃えないごみへ」と書かれている。また、北日本新聞エコマガジン「みどりさ ん」の中にある「ごみ分別辞典」の"く"の項に、「クリーニングのビニール袋・・・・可燃」とあった。 妻はこれを見て私に、クリーニングのビニール袋はプラスチックとして分別してはいけないと言ったの だ。説明文を読むかぎりそれは正しい。しかし、クリーニングの袋は「容器包装」ではないということ で、リサイクルせずにわざわざ労力をかけて手選別しているという現実を見てしまっては、ますますお かしいと思った。
 そこで、富山市環境センターに電話して、この疑問をぶっつけた。答はやはり「容器包装リサイクル 法」にあった。リサイクル費用を負担している事業者が作った容器包装だけをリサイクルするというこ となのだ。「しかし、わざわざ包装容器以外のプラスチック製品を選別するのは労働力の無駄ではないか」 とさらに質問したら、「可燃物として燃やし発電に熱利用している」との答。そこで、「子どもに環境教 育としてリサイクルを教えるとき、こんな説明で子どもは分別を理解できるだろうか」と尋ねたら、「確 かに素材別に分別してリサイクルするのが理想。行政としても、住民のリサイクル意識が失われては困 ると思っている」との返事。初めて本音が聞けた思いがした。
 リサイクルには費用がかかることは十分理解できる。だからと言って、費用負担している容器包装だ けをリサイクルするというのはどう考えてもおかしいと思うのだが、一体全体何を考えてこんな規制を つけた法律を作ったのだろうか。この原稿を書くにあたり、インターネットで調べていたら、「容器包装 リサイクル法改正市民案」というサイトに出会った。その中に、「容器包装リサイクル法の問題点」とし て7項目列挙してあったが、「(5)分別の仕方が分かりにくい」で、「・・・・・分別する市民には、 同じ素材なのに、なぜ使い捨て商品(ラップ等)やサービス品(クリーニングの袋等)は対象外なのか、 理解できません。・・・・・一刻も早く素材別リサイクルの仕組みを構築し、分かりやすい分別方法を実 現すべきです」とあった。私の考えがおかしいわけでは無さそうだ。
 法律だから正しいと、頭から信じるのはやめよう。 
 
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