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朝日建設株式会社 本社地図
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2005年9月

住宅改修事業へ進出

 あさひホームを開業して1年たった昨年の春先、ホームのスタッフから、「朝日建設は、住宅改修はしないのですか?」と質問された。世間の人は、「○○建設」と聞けば、建築もやっていると思うのが普通で、建設=建築と思っている人も多い。私もこれまで聞かれるたびに、「うちは、舗装や土木工事、そして電気工事が主で、建築はやりません」と答えてきた。
 私が入社した昭和50年からこれまでの間に、当社の建築分野への進出について会議で話題になったことはまれにあった。しかし、「建築業者が土木へ進出できても、その逆の土木から建築への進出は無理」とか、「建築は儲からない」との一般論で、それ以上の議論にはならなかった。
 同じ頃、デイサービスやショートステイを利用されているおばあちゃんの娘さんから、自宅の玄関の前の階段に車椅子のためのスロープをつけたいと相談された。外構工事だったら出来るということで、営業部の藤田課長を担当者に決めた。彼なら得意のパソコンを駆使してパース(完成予想図)を作り、視覚的に工事説明が出来ると思ったからだ。藤田課長はパースを基に打合せを重ね、スロープや手すりのほかに、駐車場の自然洗い出し舗装も受注した。介護保険からの給付も、支給限度基準額の20万円を申請し、上限の18万円が支給された。
 初めて介護保険を使っての改修工事を施工したことで、建築工事としての住宅改修にも興味がわいてきた。介護保険から手すりや段差解消などの住宅改修に対して改修費の9/10が支給されるが、支給限度基準額が20万円ということで、工事金額としてはそんなに大きくは無い。しかし、不要工事や架空請求など高齢者を狙った悪質リフォーム事件が後を絶たないこともあって、利用者さんのためになるなら、建築分野である住宅改修に取り組んでみたいと思った。
 そこで、私が入会している「グループ『建設・みらい』」の機関誌「ネクサス」(この雑誌の記事を読んで、あさひホームの建設を思いついた)に、「介護と改後」のタイトルで介護情報や住宅改修に関する記事を毎号書いているNPO法人福祉住宅環境協会の武田理事に7月末にメールし、協会の資料を送ってもらった。8月には東京から折本理事長と武田理事が来社され、協会の事業目的や組織についてお聞きした上で、住宅改修に関する相談もしたいということでこの協会に入会した。10月にはあさひホームで、武田さんを講師に住宅改修に関する講演会を開催し、当社が住宅改修に乗り出したことをPRした。
 営業担当の藤田課長は、これまでに富山市内の老人介護施設を40軒以上飛び込みで訪問し、ケアマネージャーに会って、住宅改修に関するパンフレットを渡しながら営業活動を行ってきた。その結果、あさひホームの利用者さんから2件、他の施設の利用者さんから1件の改修工事を受注し施工した。屋内の手すり設置、廊下の段差解消、玄関前の手すりの設置である。提案に際しては、福祉住宅環境協会の武田さんや、武田さん紹介の石川県にある福祉機器設計・製造・販売会社(有)クリエイトの須?さんから助言を頂いている。しっかりしたネットワークがあれば、住宅改修工事も出来ると実感できた。
 先日の新聞に、リフォーム業者選定5カ条が載っていた。その一番目は、「バリアフリー住宅のリフォーム工事について実績と経験があること。少なくとも30件以上の工事を手がけた業者を選びたい」とあった。当社の施工実績はまだ4件であるが、どこだって最初の1件からのスタートだ。気にすることは無い。あさひホームがデイサービス(通所介護)、ショートステイ(短期入所)に加えて今年2月から訪問介護事業も始めたことで、利用者さんの心身状況や住宅事情をよく把握している。これは、5カ条の二番目の「依頼人の話を細かく、根気よく聞き、高齢者本人や介助者の生活全般への理解があること」に先立つ重要情報を持っているということであり、これは大きな強みである。
 厳しい建設不況が続く中、国も県も建設業者に対して新分野進出を勧めている。昨年、日経コンストラクション編集長の講演を聞いたが、建設業が成功しやすい新規事業は、建設業の人や資機材を使える農業分野、次は技術力、提案力という面での環境分野で、地域情報を持っていても介護分野は難しいとのことであった。しかし、あさひホームは3年目の今年、黒字転換できそうである。私は、介護事業への進出があったからこそ、「土木屋は建築には進出できない」という、私自身も持っていた固定観念を打破して、建築分野への進出の第一歩を介護関連の住宅改修から始めることが出来たと思っている。
 介護タクシーも始めたあさひホームは、朝日建設の住宅改修事業と連携して、介護に関するあらゆるニーズに応える体制が整った。地域に必要とされる施設に、また一歩近づいたと思う。 
 

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