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朝日建設株式会社 本社地図
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2006年4月

新入社員への期待

 4月3日、22歳と18歳のF君、T君の両君が新卒社員として入社した。新卒の採用は4年ぶりである。昨年の10月には26歳のK君を中途採用した。
 当社の業績は2000年をピークに悪化し続けているが、公共事業に依存している土木工事主体の建設業者は、大手も中堅中小も全国どこも当社と同様に右肩下がりで業績を悪化させている。
 国や地方自治体の財政が悪化し続ける中で、公共事業が減ることは20世紀の終わりから予想されていたことであった。そこで、公共工事の元請受注比率が圧倒的に多かった当社は、公共事業全体のパイは減ってもゼロになるわけではないと考え、元請工事の受注の落ち込みを下請け工事の受注でカバーする戦略をとった。その戦術として民間営業グループを作り、価格競争にさらされながらも担当者の頑張りで、今では年間受注量の40%を占めるまでになった。
 しかし、受注量の減少に加えコスト縮減方針による積算基準改定で工事の採算が年々厳しくなり、これによっても利益確保が困難になってきた。そこで一昨年の2月、私の知人である東京の安中さんが編み出したクッション・ゼロ(CZ)式原価管理手法を当社に導入することを決断し、土木技術者を対象に3月から10月まで「コストダウンの実践研修(クッション・ゼロへの挑戦)」を行った。研修終了後は、当社にCZを定着させるために管理部を作り、さらに昨年の4月からはCZ実践フォローとして、国土交通省発注の路肩拡幅工事を具体的な工事として取り上げ、今年3月の工事完成まで毎月1回プロジェクト会議を行った。
 金沢大学のF君には、採用を内定した後の昨年8月から毎回富山オフィスでのプロジェクト会議に参加してもらった。工事の原価管理に携わったことが無いF君には難しい内容であったろうとは思うが、CZの精神はシッカリ理解したと思われる。安中さんに、工事日報が日々正確に書かれていないということは、朝日建設では原価管理が最優先にはなっていないということだと指摘され、恥ずかしくもあり、全くその通りだとも思った。原価管理が大事だと思っていても最優先ではなかったのだ。そんな当社の甘い体質に染まっていないF君に期待するところは大きい。何度かプロジェクト会議に参加したK君にも、同様の期待を寄せるものである。
 一方、富山西高校のT君には昨年の10月から今年3月までの半年間、社会人として、あるいは人間として私が大切だと思うことを課題として毎月与え、レポートを提出してもらった。課題は「挨拶の励行」、「ハイという返事」、「後始末」、「読書」、「他人のために尽くす」、「親の恩」であったが、毎月のレポートは正直私の想像や期待を超える内容であった。
 T君の卒業式に参列し、卒業証書の授与で名前を呼ばれ「ハイ」と返事し起立したT君に感激した。普通科で返事をした生徒は誰もおらず、土木科ではT君が最初で、その後にT君の影響があってのことか二人が返事して立ち上がった。名前を呼ばれたのに対して、実に自然で素直な「ハイ」であった。「ハイという返事」が身についているのだと嬉しく思った。 
 4月10日、八尾オフィスの朝礼に出かけた。朝礼開始の7時半前に事務室に入ったら、ミーティングルームからオフィスに初出勤のF君とT君が出てきて、私に「おはようございます」の挨拶。何時に着いたかと尋ねると7時だと答える。その後、ミーティングルームに入ってくる社員一人一人に、二人一緒に立ち上がって「おはようございます」と明るく大きな声で挨拶していた。朝礼が始まり所長に紹介され二人がそれぞれ挨拶したが、シッカリした挨拶に皆感心した様子であった。
 当社の新入社員は、入社後3ヶ月間「新入社員レポート」をパソコン上で書くことになっているが、今年の二人のレポートは、特に読むのが楽しみである。考えて行動し、考えて書いているのがよく分かるのである。
 「期待が大きすぎると、それに反した時のショックが大きいからあまり期待しすぎない方がよい」という考え方もあるようだが、それはマイナス思考だと思う。期待する、期待に応える、それを一緒に喜び、さらに上を期待する、どんどん成長する、そんなことが大いに予感させられる今年の新入社員だ。先輩社員のよき指導を願うものである。
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