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2006年11月

子育て支援を考える

 10月28日(土)、内閣府と富山県が主催した「少子化を考える国民の集い−みんなで支え育む"とやま"を目指して」のパネルディスカッションに、4人のパネリストの1人として、行政や地域の代表者と共に企業の代表者として出席した。11月11日の北日本新聞に、見開きで大きく当日の様子が紹介されているが、紙面の関係で載らなかった発言や、その後考えたことなどを書いてみたい。
 この集いは内閣府と県の主催で一昨年から開催されているとのことで、富山県が10回目である。我が国では、昨年、総人口が初めて減少に転じ、出生率、合計特殊出生率は過去最低を記録するなど、今や少子化対策は国を挙げて取り組むべき喫緊の最重要課題となっている、ということからの開催であった。
 各パネリストは2回ずつ発言したが、私は自己紹介を兼ねた最初の発言で、なぜ経済人の集まりである富山経済同友会の教育問題委員会が、3次にわたって「家庭教育を見なおす」をテーマに提言をしてきたのか、そして、私が委員長を務めた第3次委員会の提言のタイトル「親として、企業人として」の意味を話した。この部分が、紙面に要約して書かれていた。私の家庭について紹介した部分は、カットされていたが。
 2度目の発言は、コーディネーターの内閣府少子化対策推進参事官の増田雅暢さんからの、企業の子育て支援に関しての質問を受けてであった。質問の第一は、企業の子育て支援には、コストがかかるのではないか、第二は、男性の育児休業(育休)取得率がわずか0.5%であり、職場の雰囲気が育休を取り難くさせているという指摘があるが、それを改革するにはどうすれば良いのか、であった。
 第一の質問に私は次のように答えた。日本人は働きすぎという欧米からの圧力で、労働時間が週48時間から40時間になった。しかし、生産性の向上がなければ時短は経営を圧迫することになり、時短は生産性向上を前提としたものである。子育て支援も同じことで、代替要員が確保できないとか、余裕がない、コストがかかるとかといった出来ない理由をマイナス思考で並べるのではなく、各企業がプラス思考で工夫して、自助努力で子育て支援の前提条件を整えることが大事である。
この答えには、この集いの前半での、富士通総研経済研究所の渥美由喜さんの基調講演が役立った。彼は、企業が子育てのメリットに着目し始めたとして、育児休暇を取得した従業員には、時間管理能力の向上や忠誠心の向上がみられ、また、企業として組織や業務体制の見直しの好機にできるという話をされた。
 二つ目の質問には、経営トップの意識次第と答えた。社長が、本気に真剣に男性の育休に取り組まなければ、いくら制度だけ整えても、実際に育休を取得する男性社員は現れないと思うのである。このことは、パネルディスカッションの前の打合せで、子育てサークル代表の今井典子さんから聞いた話でより強く思ったことである。彼女の友人の女性が3人目の子どもを生んだ時、夫が勤め先の育休制度を使って2ヶ月間の育休を取った。しかし、会社内での人間関係の軋轢から体調を崩し、夫婦間でも摩擦が起きたというのである。育休をとる前には、上司から「本当に育休を取るの?」としつこく聞かれたそうであり、育休から復帰しても、いろんな嫌がらせを受けたようだ。子育て支援に限らず、全ての制度は形だけであってはいけない。特に、行政から言われるから、法律で定められたからと規程だけ整え、無理に実績作りをするというのでは、本末転倒だ。
 11月15日、富山経済同友会の「家庭教育を見なおすフォーラム」に参加した。お茶の水女子大学名誉教授牧野カツコさんの講演の中で、出産に立ち会うことや、中学校や高校の家庭科の時間に小さい子と触れあう機会を作ることで、命や子育ての大切さを学ぶことが出来るという話をされた。最近の、小中学生のいじめによる自殺や、我が子を虐待死させる事件を思うとき、なるほどと思わされた。
 そして11月17日、「仕事と生活の調和推進シンポジウム」でのパネルディスカッションに、経営者の立場でパネリストとして参加し、こんな発言をした。「私自身は、これから子どもを作るわけにはいかないけれど、男性社員を出産に立ち合わせたいし、育休取得や配偶者の出産に伴う休暇も取らせたい」、「働くことも、子育ても、学ぶことも、本来楽しいことであり、その環境や意識を作ることが大事」。
朝日ケア(あさひホーム)には、パートタイムで働く介護スタッフが多くいるが、子どもの病気などの事情で休まなければいけないこともあると聞く。朝日建設でも朝日ケアでも、各人の家庭状況に応じて、個別に柔軟な働き方が出来るよう工夫していきたい。「出来るか出来ないか」ではなく、「どうしたら出来るか」考えよう。
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