本文へ移動
朝日建設株式会社 本社地図
0
5
1
6
4
5

2007年12月

使命感

 「今年の漢字」に決まった「偽」についてのニュースを、インターネットで調べた。
 平成19年の世相を表す漢字は「偽」−。日本漢字能力検定協会が公募で選ぶ「今年の漢字」に「偽」が決まり、清水寺(京都市東山区)で12日、森清範貫主が縦1・5メートル、横約1・3メートルの和紙に「偽」の文字を大きく揮毫(きごう)した。産地や原材料偽装、賞味期限の改竄(かいざん)など食品偽装の問題が相次いだことがその理由。さらに、年金問題など政界に対する国民の不安の声も反映した形となった。今回は全国から9万816通の応募があり、「偽」は1万6550票と圧倒的多数の1位。2位は「食」で約2450票、3位は「嘘」、4位は「疑」と続き、2位以降も「偽」と同じ理由で選ばれている。森貫主は「日本人の一人としてこういう漢字が選ばれるのは悲憤にたえない。自分を律する気持ちを持って、これをバネに来年は良い字にしたい」と話した。(産経ニュース)
 ひき肉、白い恋人、赤福、船場吉兆の高級食材……。 身近な食への信頼を揺るがせる「偽装」が相次いで発覚し、 年金記録や政治資金をめぐっても庶民が「偽り」に振り回 された1年を反映した。(asahi.com)
 不二家の賞味期限問題が報じられたのは、今年の1月 10日だった。その後、上述の記事にあるように、次々に 食品偽装問題が報じられたが、政治に関しての「消えた年金」 や「事務所経費」などの「偽」問題の究めつけは、10月19日から報道が始まり11月27日に当事者が逮捕された、防衛省の守屋前事務次官の収賄事件だと思う。
 「偽」の内容も色々であり、賞味期限を過ぎた食品を食べたからと言って必ず食中毒になるというものではない。私は賞味期限が相当すぎたお菓子を、若干不安に思いながらも味が忘れられずに食べることが間々ある。でも、腹が痛くなったことは一度も無い。痛くなったとしても、それは自己責任というものだ。しかし、国民の安全を守るという国家が果たすべき最重要責任である国防において、役人と防衛商社が結託して個人と企業の利益をむさぼり、水増しされた兵器の購入により税金を食い物にしたこの事件は許しがたい。今後の捜査によっては、政治家の逮捕の可能性も言われているが、守屋事件に限らず、政治家も役人も民間企業も、なぜこんなに平気で「偽」をなすのだろうか
 一番の理由は、使命感の欠如だと考える。自分たちに与えられた重要な任務(=使命)を成し遂げようとする責任感が使命感である。政治にとって、行政にとって、企業にとって、自分たちの使命は何かと考えることから、「偽」の政治、「偽」の行政、「偽」の企業の改革を始めなければいけない。それは、それぞれの分野で仕事をする政治家、役人、企業人、特に、それぞれの分野で指導的な立場にある人が、自らの使命を自らに問いかけ、問い直し、きちっと声明することである。
 当社は、道路舗装工事を主体とする建設会社であるが、何のために道路を作るのか。私は、自分が生まれ育った富山県の生活道路や幹線道路を整備することで、富山の地域の生活、経済、文化の向上や、安心安全の確保に役立ちたい、そして、もっともっと富山を素敵な地域にしたいと願っている。そのためには、技術力の向上のための教育、社員が生き生きと働ける職場環境や賃金制度の整備、発展するための適正な利益の確保などが必要だ。私にとって、それが使命だ。
 道路行政は、真の発注者である県民、市民など納税者のために施工業者を選定し、良好な道路を適正に調達することが使命であろう。そうならば、競争入札の結果のダンピングまがいの低入札価格業者とは、その業者が舗装できる施工体制を持っているのか、その入札価格で品質や安全が確保できるのか、下請け業者をいじめて労働者に不利益を生じさせないかなどをきちっと調査した上で契約するかしないかを判断するのが責任であり、使命を果たすということだろう。しかし、低入札価格調査をしても契約されないケースは皆無に近いという事実は、役所の使命感の希薄さを表している代表的な事例のひとつと考えている。
 私は60歳、論語に言う「耳(みみ)順(したが)う年(とし)」である。自分の命を何に使うか(これも使命)を考え、人の話を素直に聞きながら、正しく判断し、経営に当たる覚悟である。
 
 

 

TOPへ戻る