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2011年5月

東北地方へ旅しよう

 3.11東日本大震災の想像を絶する被害の映像を見て、出来るだけ早い支援をと思い、震災発生3日後の3月14日の月曜日に、会社と社員有志の義援金を北日本新聞社に届けた。
 それから今日まで2ヶ月以上たったが、この間、毎朝犬と散歩しながら、被災地のことや被災された方々のことを思わない日はない。寒い朝には、東北地方はもっと冷え込んでいるだろう、避難所の体育館はさぞかし寒かろうと思い、4月に入って暖かくなってきたら、この明るい太陽の日差しが、被災地にもっともっと降り注ぐようにと願った。そして、自分にはどんな支援ができるだろうかとも考えていた。
 個人的には、ロータリークラブの会合などや街頭、あるいは飲み屋に置かれた募金箱へ何がしかの寄付をしてきた。また、3月は全国的に各種の催し事やパーティーが取りやめになり、私自身も飲みに出る気分にならず、飲み会への誘いを断っていたが、これが日本経済全体にとっては「自粛不況」となり、決して大震災の復興のためにはならないという意見に同感し、3月下旬からは、再び飲みに出るようになった。
 5月の富山と八尾オフィス、そして本社での朝礼で、震災復興のためには、当社がしっかり利益を出して納税し、それが震災復興の財源になるようにしなければいけない。そのためには、クッション・ゼロ式原価管理を実践する手法として今年から取り組んでいる「現場NOTE」を早く使いこなすようにすることだ、と話した。
しかし、こんなことでよいのだろうかと思ってもいた。被災地に救援物資を運んだり、被災地で炊き出しをしたり、瓦礫の撤去を手伝ったりするなどもっと直接的な支援をすればよいのだろうけれど、経営を考えると、個人的にも会社としてもなかなか出来ないと、恥ずかしさともどかしさを感じていたとき、以前聞いたニュースが頭に浮かんだ。それは、東北地方には良い温泉がたくさんあるが、今回の大震災ですっかり客が来なくなった。ぜひそこに行って飲食したり土産を買ったりしてお金を使ってほしい、そして、宴会だけでなく、被災地の様子も見ていってほしい、というような内容であった。
 私は、震災発生以降、社員の子供さんの誕生日祝いメールには、必ず震災に触れ、「Nさんは中学2年生。部活は何をしていますか?東日本大震災関連のニュースに、中学校のソフトボール部の部員が、つぶれた部室の跡から、泥に汚れたバットやグラブなどの用具を見つけ出して洗っている様子が報じられていました。また、小さな子供達に絵本を贈り、読み聞かせしているという富山のボランティアの話も、新聞で読みました。日本の国難を乗り切るのは、これからの若者達です。Y家では、日本の復興のことを話題にしていますか?是非、話題にして、家族みんなで考えてみましょう。」などと書いている。これと前述のニュースがドッキングした。家族で現地に出かけ、被災地の状況を見て、テレビの画面からは分からない臭いをかげば、家族の一人ひとりが震災復興について考え、それぞれの立場での支援行動につながるのではないかと思ったのだ。
 そこで、5月13日の経営戦略会議の席で、「今年の経営環境は昨年よりさらに厳しく、12月決算では赤字も予測される。しかし、東北地方に同僚や家族と旅をし、温泉などでお金を落とし、被災地を自分の目で見てきた社員に対して、会社から家族も含めて経費の補助をしようと思う」と提案したら反対意見は無く、止めて久しい会社の慰安旅行を被災地にすればよいのではないかという意見も出た。
 5月14日の朝日新聞の「be」の紙面に、やってみたいボランティアのランクが出ていた。編集部が用意した36の設問肢の中から選ばれた回答は、1位:節電、2位:救援物資の整理、3位:風評被害に遭った商品を買う、と続き、10位:避難所のお掃除などお世話、であったが、17位に、「被災地に旅行してお金を使う」がランクされていたのを見て、私のアイデアの実行に確信が持てた。記事の中に、「ボランティアの『vol(ボル)』は、英語の『will(ウィル=意思)』の意味で、ボランティア活動は、命じられてするのではなく自発的にする、『ほっとかれへんからする』ということです」とあった。
社員の皆さん、これは命令ではありません。会社が経費補助という後押しをちょっとしますから、夏休みなどに時間を作り、一人でも、家族でも、あるいは会社のグループでも何でも結構ですから、東北地方に旅しませんか。関連記事(富山新聞:東北の祭りにいらっしゃい日本経済新聞:東北支援へ割安ツアー
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