朝日建設株式会社
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2014年8月

快挙

写真1:金賞獲得
 射水市大島絵本館主催の「おおしま国際手づくり絵本コンクール2014」において、老人介護事業所あさひホームの利用者の方々が協力して作り一般の部に応募した「すてられ すてられん」が、315点の応募作品の中から見事に金賞を獲得した(写真1)。平成17年から毎年応募し、昨年までの9回で入選4回、入賞4回(銅賞1回、奨励賞3回)で受賞を逃したのは1回だけ。そして10回目の今年が金賞・富山県知事賞。金賞の上は最優秀賞・文部科学大臣賞と優秀賞・井口文秀賞だが、最優秀賞が一般の部から、優秀賞がしかけの部からそれぞれ1作品が選ばれ、金賞には一般の部としかけの部から1作品ずつ選ばれているので、「すてられ すてられん」は一般の部では 第2位ということになる。これを快挙と言わずして何と言おうか。
 7月26日に行われた表彰式に(写真2、写真3)、私も指導者のIさんと絵本の制作に携わった利用者さんの代表3人(写真4)と一緒に出席した。今回の作品は各場面の文字が刺繍されているが、会場に向かう車の中で利用者さんのお一人から、「要支援1に介護度が下がり、これまで週2回ホームに来ていたのが土曜日1回だけになったので、自分の分担の仕事を家で夜なべして仕上げた」と聞き、「夜なべ」という懐かしい言葉と共に作品の制作過程を垣間見た思いがした。そこで、このコラムを書くための参考として、指導者のIさんにこれまでの手づくり絵本制作の道のりを書いていただいたので紹介したい。

写真2:表彰式1
写真3:表彰式2
写真4:代表の利用者様
    (3名)
■あさひホームデイサービスご利用者と絵本づくりの出会い
 平成17年、呉羽小学校5年生との交流会で戦争体験を絵本で表現することから始まった。戦争体験はつらく悲しい思い出ばかりで、家族にも体験を話されなかった男性ご利用者が、ご自分の思いを孫に代筆してもらったと原稿用紙を持参された。ご利用者自身で文章を書いたり、スタッフが代筆したりして、体験記「それはまるで悪夢だった」(写真5)が完成。おおしま国際手づくり絵本コンクールに応募し、初応募で入選写真6)

写真5:体験記「それはまるで悪夢だった」
写真6:初応募で入選

■平成18年「だら坊主たろ吉」銅賞
(2006年9月コラムにリンク)
 全くオリジナルのストーリーと絵で物語を作ろうという声が上がり、物語の各場面、登場人物など役割分担して絵を描いて頂いた。ご利用者にキーワードを決めてもらい、そのキーワードをバトンして月曜日から金曜日まで文章をつなぎ合わせて作り上げた(写真7)
 
写真7:平成18年「だら坊主たろ吉」銅賞
■平成19年「五、七、五でひとり言」選外
 俳句、短歌のお好きなご利用者がおられたことから、頭の体操の時間帯に多くの俳句を作っていただき、その中からご利用者たち自身が選ばれた句を1冊の絵本にまとめた。絵は、和紙のちぎり絵。
 
■平成20年「昔むかし呉羽の里で」(写真5)北日本新聞社賞、
 平成21年「姉倉比売物語」NHK富山放送局局長賞、
 平成22年「おろちやぞぉ」(写真6、写真7)入選
 呉羽に伝わる昔話を基にしたオリジナル性のある絵本。「昔むかし呉羽の里で」は、牛ヶ首用水の物語の登場人物善左衛門の末裔に当たる人と偶然お会いし、「私の先祖の話を絵本にしてもらい大変嬉しい。これからも地域のお話を絵本にして欲しい」と喜んでいただいた。
 
写真5:昔むかし呉羽の里で
写真6:おろちやぞぉ1
写真7:おろちやぞぉ2
■平成23年「獅子頭のなみだ」入選、
 平成24年「こられ こられ」入選
 「獅子頭のなみだ」は全ページ和紙ちぎり絵で富山の伝統芸能をテーマにし、「こられ こられ」は色鉛筆画で、郷土料理をテーマにした、全文おばあちゃんとひ孫の会話。
 
■平成25年「雀の長者」読売新聞北陸支社賞
 全ページ和紙で、紙版画。和綴じという手法で制作。「生れて初めて版画するわ」というご利用者さんたちは、刷り上り具合に息を飲みながら制作されていた。
 
■平成26年「すてられ すてられん」金賞・富山県知事賞(写真8)
 昨年10月、李湯社さんから、平成26年度の絵本のテーマを、物を大切にする心、人と人とのつながり、命の大切さの3点に重点を置こうという意見が出された。
 11月、ベースになる言葉を決めて文章づくりを開始。他の人から見て不要なもの、どう見ても汚れて捨てるしかないようなものでも、自分にとっては捨て切れないものがある。“もの”は“品物”としての存在だけではなく、かけがえのない思い出として心の中に深く刻み込まれている。捨てようかな?と思いながら捨てられないものを、ご利用者たちが子供のころに遊んでいたお手玉に決定。お手玉の思い出をさかのぼっていくと、お姉さんのカバン、かあさんの防空頭巾、標準服、かあさんの着物と思い出がよみがえってくる。
 文章も、詩のような韻を含んだリズミカルなもの、前場面の単語をしりとりのように読み進めていく、の2点を基本にして展開していった。
 今年2月、台布、各場面のお手玉、カバンなどの材料を選び縫っていただき、各場面の文字も刺繍していただく(写真9)
 4月、表紙を藍染していただく。男性のご利用者も積極的に参加された。
 5月、製本(完成)し、「おおしま国際手づくり絵本コンクール2014」に応募。
 
写真8:「すてられ、すてられん」
     金賞・富山県知事賞受賞
写真8:文字を刺繍
 今年度の手づくり絵本「すてられ すてられん」は、針と糸を使う細かな作業だったが、利用者の皆さんは、お手玉(写真10)、カバン・・・と大変根気強く縫い進めていかれました。
一場面一場面、熱く語り合いながら文章づくりを完成された方、デイサービス利用の短い時間で小さな着物(写真11)を完成された方、皆さんのパワーに敬意を表し、感謝の気持ちでいっぱいです。

写真10:お手玉
写真11:小さな着物
 素晴らしい利用者の皆さんと共に絵本づくりを進めていくことは、私たちの誇りであり大きな喜びであると確信しました。 
 木曜日のご利用者の方から「年老いて介護施設に通っている私たちは、できないことが多いだろうと思われがちだけど、小さな力でも大勢の力を合わせればできることは一杯ある。そして、その力を認められ受賞することもできた。『まだまだ大丈夫、頑張ろう』という心を、あさひホームから発信していきましょう」と、力強い言葉を頂きました。
 多くのご利用者の意見を一つにまとめる難しさはありますが、一冊の絵本が完成した時の喜びは格別です。
 これからも多くの利用者さんと共に、楽しく絵本づくりをして、利用者さんたちに「絵本づくりっ ちゃ、おもしろいね」と笑顔の花が開くことを願っています。
 
   私の仕事のウエイトは、朝日建設に90%、朝日ケアに10%といったところだが、介護事業には建設業と違った課題が多くあり、毎月の運営会議や経営会議での議論で介護事業経営の難しさを痛感させられている。
 しかし、今回の手づくり絵本コンクールでの金賞受賞を機に、Iさんにこれまでの経過をまとめてもらい、こうしてコラムに書き写しながら思ったこと、それは、朝日ケアの経営理念「私達の仕事は、お年寄りに満足してもらうこと。満足を測る物差しのひとつに心からの笑顔がある。この笑顔とは、お年寄りだけではなく、家族も介護スタッフも地域住民も含んだ皆の笑顔である。」が、確かに実践されているということだ。創業者としてこんなに嬉しいことはない。