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2008年1月

夜勤体験

 私の誕生日は1月2日である。61回目の誕生日の今年、生まれて初めて自宅以外で誕生日を迎えた。 
 昨年末に、朝日ケアの向野介護長から私に電話があった。あさひホーム吉作(以下、吉作と言う)のデイサービスを利用されているFさん(70代男性)が、元日に2階のショートステイの部屋ではなく1階のデイサービスフロアでショートステイされる。自分がFさんに付き添うつもりでいたが、スタッフの急な欠勤から元日の夜勤が出来なくなった。ただ横で見守ってくれていればよいから、社長に夜勤をお願いできないかというのである。
 Fさんは、定休日の日曜日以外毎週月曜日から土曜日まで、ホームの送迎で昼に吉作に来て、まず入浴してから昼食をとり、夕食を食べてから帰宅するというパターンのデイサービスを利用しておられる。家庭の事情や介護の状況などおおよそのことは知っていた。だから、毎日通ってくれているヘルパーさんが年末年始お休みなので、せめて元日の夜は本人が慣れている吉作で過ごさせたいという家族の思いは良く分かる。また、吉作で私が昼食をとりながら見ているFさんの言動から、なぜ1階での就寝なのかも理解できた。 
 朝日建設でも朝日ケアでも、社員に常々「出来るか出来ないかと考えるのではなく、どうしたら出来るかと考えよ」と言っている私である。介護長はいろいろ考えた中で私の夜勤という名案(?)が浮かんだのだろうと思い、二つ返事で引き受けた。 
 年が明け元日になった。家族でお雑煮を頂き、届いた年賀状を見ているうちに夕方5時。Fさんが以前北代でショートステイされた時は、梅酒を飲んでもらったら直ぐに寝入ったということなので、亡き母が作ってくれた梅酒を手に吉作に向かった。二人の介護スタッフがFさんのお世話を終え退社すると、1階には私とFさんだけ。正直チョッピリ不安。自宅での夕食を思いながら、5時45分頃から二人で夕食。10数分で終了。Fさんの湯飲み茶碗のお茶が少なくなったところで、梅酒をお湯で倍に薄めてFさんへ。一口飲んで湯飲みを置く。このまま飲まなかったら困るなあと思いながら、溜まった業界紙を読みつつ横目で見ていたら、またゴクリゴクリと飲み始める。7時頃に、「お茶をもう一杯どうぞ」と、また梅酒のお湯割を勧める。酒に弱いFさんが顔を赤くして椅子に座ったまま居眠りを始めたのを見て、「寝ましょうか」と誘う。1回目はうまくいかなかったが2回目には立ち上がって布団が敷いてある畳の間に向かい、敷布団の上に座ってくれる。枕の位置が反対のため、枕をFさんの頭の下に差し入れ布団をかけると、しばらくして鼾をかき始める。このまま朝まで寝てくれるかなと思ったのは早計だった。昼と同じ調子で独り言。寝言かと思って見に行けば、目を開けている。そのうちに、天井に向かって腕を上げたり、むっくりと上半身を起こしたりする。気配を感じるたびに、私は忍者のように、手を広げ壁にへばりついて横ばいで、あるいは、床に腹ばいになって寝室に近づき、様子をうかがった。他人が見たらさぞかしおかしな光景だったろうと思うが、その時は真剣だった。Fさんの熟睡を確認し私もうとうとしたのは4時を過ぎていた。
 なお、私は10分おきくらいにFさんの観察記録をメモしていた。向野介護長や吉作の介護スタッフから、これまで誰もFさんの夜の状態を知らなかったが、これで分かるようになったと言われた。この点からも私の夜勤が役立って良かったと思う。
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