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2008年4月

人と戦略

 4月16日に開催された富山経済同友会定時総会での講演を聴いて、大いに考えさせられた。講師は平成7年から11年まで経済同友会(東京)の代表幹事を務めたウシオ電機会長の牛尾治朗さん。演題は「これからの日本・これからの企業経営」であった。
 講演会場のテーブルには、牛尾さんの著書「わが人生に刻む30の言葉」と、その本に書かれた10の言葉が抜粋された紙が1枚置かれていた。講演の後半で、この紙に書かれた言葉について語られ、それぞれの言葉の解説になるほどとうなずいたが、中でも強く心に残ったのが、アメリカのGE(ゼネラル・エレクトリック)社の前会長のジャック・ウェルチ(産業界、メディアから、20世紀における最もすぐれた経営者として賞賛されている人物)の次の言葉であった。

 「人が第一、戦略は二の次と心得ること。仕事でもっとも重要なことは適材適所の人事であって、優れた人材を得なければ、どんなにいい戦略も実現できない

 私は、アイバックの小沢社長から、経営理念の下に経営方針が策定され組織が作られる。そして、経営方針の下に戦略、教育、PR(パブリック・リレーション:社内外のコミュニケーション)が打ち立てられ、これらに基づいて、業務推進(戦術)がなされると教わった。図に示すと以下の通りである。

 小沢さんのこの考え方に共鳴し、これまで特に意識してきたのが、理念、方針、戦略、戦術の関係であった。組織や教育、PRを意識しなかったわけではなかったが、強くは無かった。しかし、ジャック・ウェルチの「優れた人材を得なければ、どんなにいい戦略も実現できない」の言葉を知って、この図が全体的に理解できたように思えた。
 理念を実現するために組織を作っても、優れた人材を得なければ、適材適所の人事で組織を構成することが出来ない。また、方針に基づく教育によって優れた人材を育成しなければ、あるいは、会議やミーティングなどのPRを通して理念や方針を社員に理解させ、共有させなければ、戦略は実現できず、戦術は空回りして効果をあげないのである。
 私は昭和50年に当社に入ってからいろんな改革を行ってきたが、賃金制度改革も大きな仕事であった。昭和51年に富山県生産性本部の一泊セミナーで学んだ、「人事考課は単に給料を決めるためだけではなく、人材育成のためにも使われなければいけない」という考え方は、その後の人事考課面談や職能資格制度を導入した賃金体系の変更でも基本にすえていた。しかし、年2回の人事考課面談も人材育成にはほとんど寄与してはいないという忸怩たる思いがあった。
 4月9日の賃金検討会で、2年前に導入した田中式「新しい賃金体系」に基づく格付け変更を行ったが、これまでより明快に納得性のある給料を決めることが出来たと感じた。それがあったから、ジャック・ウェルチの言葉を知って、適材適所の人事を行うことが出来る優れた人材を得るためには、4月の給料袋には、給料明細と共に2年間の評価の通知書を同封し、これに基づいて、優れた人材になるためにはどうしなければいけないかを上司と部下とで確認しなければいけないとひらめいた。
 「人は経費ではなく資源」という当社の経営理念を実現するための人材育成戦略を考えることが出来たありがたい講演会であった。

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