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2008年9月

崖の上のポニョ

   3連休の中日の9月14日(日)に、ファボーレ東宝で宮崎 駿(みやざき はやお)監督作品のアニメーション映画「崖の上のポニョ」を観た。この日は、朝6時過ぎから愛犬ハナと城山の200段以上ある山道を登るなど1時間以上散歩し、その後北代のあさひホームでハナと8時半からの申し送りに参加した後、ハナと一緒に10時までデイサービスご利用のお客様をお迎えしたので、いささか疲れた。朝昼兼用の食事をとってから昼寝し、目覚めたのが2時半。お菓子を食べながら、この連休中に観たいと思っていた「崖の上のポニョ」の上映時刻を娘に調べてもらったら3時25分。その時はすでに3時を過ぎていた。娘が「もう駄目やわ」と言うも、妻の「どうせ最初は次回上映の案内や広告だから、少しくらい遅れても大丈夫よ」の声に、急いで車で飛び出した。ファボーレの駐車場が満車で時間を食うも、2階映画館の入場券売り場に駆け込み、「座席はどこでもいいから」とチケットを買って館内に走りこんだのが3時30分過ぎ。妻の言うとおりであった。その後数分してから、「崖の上のポニョ」が始まった。
 わが家は家族6人全員が宮崎アニメのファンである。妻と長女は「天空の城ラピュタ」が好きだ。同じ血液型で同じ誕生日のせいかもしれない。長男は「魔女の宅急便」。彼が学んだK美術工芸大学は卒業生の仮装で有名だが、卒業式で長男は、「魔女の宅急便」の主人公の女の子キキをまねて赤いリボンを頭に着けたくらいに「魔女の宅急便」が大好きだ。次女は「となりのトトロ」だ。何度も何度も繰り返してビデオを観ていた。そして次男は何と言っても「紅の豚」である。小さい頃は主人公ポルコの台詞「飛ばねえ豚はただの豚だ」を得意そうにまねていた。私と言えば、家族が好きな作品のどれも好きだし、「もののけ姫」も好きだが、現実にありそうな話に思えてしまい、郷愁も誘われる「となりのトトロ」が好きである。
   さて、今回の「崖の上のポニョ」は、宮崎監督のこの映画の製作過程を密着取材したNHK番組を確か昨年観て「こんなにも苦悩しながら作るのだ」と驚き、完成したら是非とも映画館で観たいと思った。最近では、テレビから「ポーニョ ポーニョ ポニョ さかなの子 青い海からやってきた・・・・」と、女の子のかわいらしい声でテーマ曲がよく流れていて、娘や妻が口ずさんでいたので、ますます観たくなっていた。
   映画が始まってまず感じたのは、これまでと画面の絵が違っていることだった。主人公宗介やポニョなどの人物や、彼らが持ったり使ったりする道具や自動車、そして、押し寄せる巨大な波などその時々の場面において中心となる人や物は、これまでに観た宮崎アニメの画面と同様に非常に繊細に緻密に描かれているのだが、後ろの山や木や家、空などといった背景は、あっさりと言うか軽く簡単に描かれていると思った。映画を観終わって帰るときパンフレットを買ったが、その中の宮崎監督の文章は、「これまで自分たちの映画は、どうしたら精密で、表現力がある贅沢なものになるかということを考えて光を加えたり、影を落としてみたり、CGや色々な手法を使って画面の密度を上げる作業をしてきました。(中略)やっぱり最終的に人が惹かれるのは、人間が手で描いた驚きにあると思います。手で描いたいい加減さとか、曖昧さとか、ある種の気分や気持ちが動きの中に出ているとか、そういうことがアニメーションの魅力の根源じゃないかって思うのです。」と書かれていた。なるほど、そうだったのかと思った。
   ストーリーは、主人公の宗介が魚のポニョを助けお互いが好きになり、ポニョが人間になりたいと思ったためにひき起こした海の世界の混乱で町が大洪水に沈むが、宗介が住む崖の上の一軒家だけが残るというように展開する。宮崎アニメの前作は、「ハウルの動く城」('04)であったが、これは正直難しかった。これに比べると「崖の上のポニョ」は分かりやすいストーリーと言える。でも、最初の頃の作品、「天空の城ラピュタ」('86)、「となりのトトロ」('88)、「魔女の宅急便」('89)、「紅の豚」('92)と同質の楽しさがあるのだが、絵と同様にチョッと違うのである。よくもこんな奇想天外なストーリーを考えるものだと思わせる面白さは一緒だが、そこに少年と少女の恋心とか、約束を守ることの大切さなどといった人間としての基盤になる思いを素直に感じさせられた。「崖の上のポニョ」については、評価が分かれるという話も聞いたが、私は好きだ。思い切って観に出かけて良かった。

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