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2009年1月

TBSの取材をうけて

1月7日の夕方、東京のTBSテレビの報道局取材センター経済部の女性から電話がありました。用件は、派遣切りや派遣止めなど非正規社員の雇用打ち切りに始まり、正規社員の解雇も行われるようになった厳しい雇用情勢にあって、政府は失業者の受け皿として人手不足が続く介護事業を挙げている、また、以前から建設業の新分野進出先の一つとして介護事業が言われてきたが、実際に建設業から介護事業に進出した朝日建設としてはどうであったかを尋ねられました。新年会に出かける時間を気にしながら30分近く持論を述べ、翌朝も1時間ほど電話で話したところ、建設業経営者でこれほど明快に話してもらえる人はいないので、連休明けの13日に富山に出かけて取材をしたいと申し入れされ、引き受けました。 
 13日10時に、電話をかけてきたSさんとカメラマンの男性、マイク担当の男性の3人が本社に来社し、スケジュールの打合せ後、富山大橋右岸函渠工工事の現場に出かけ私と現場代理人の稲葉さんが話している様子や現場の状況を撮影しました。午後は、北代のあさひーホームに出かけ、建物の外観、デイサービス(DS)フロアで食事したり利用者さんと話したりしている私、介護スタッフでありピアニストでもある福井るりさんのピアノコンサート、暖炉で燃えている薪、「きときと体操」を終えて帰り支度をする利用者さん、朝日建設から出向している丸田総務部長へのインタビュー、お年寄りの手を引いて玄関に誘導している丸田さんなど、沢山の情景や場面が撮影されました。DSの利用者さんが帰られてからは、ヒノキの床や浴室、洋式トイレに取り付けたテスリックス(手摺り)を説明している私などを撮影し、5時頃にようやく私へのインタビューがDSフロアで行われ、いろいろな質問に答えました。なお、撮影スタッフは、翌日は新潟で取材するので今夜は富山に泊るとのことでした。 
 1月19日の月曜日17:50〜18:16の枠内でTBSテレビのイブニングニュース(富山県ではチューリップテレビのイブニングファイブ)で放送されることになったと連絡がありましたが、私は18時から新年会があり、放送時間には見られませんでした。帰宅してから録画されたニュースを見ましたら、18時5分から10分までのわずか数分間に、建設業の新分野進出として、最初にエビの養殖を行っている新潟県の岡田土建工業、次に当社が紹介されていました。半日以上かけて撮影した映像がわずか2分ほどにまとめられていましたが、TBSの取材の意図は、ほぼ正確に伝わっているように思いました。 
 失業者の介護事業への受入れや、建設業の介護事業への参入に関しての私の考えはこうです。確かに介護事業の業界は重労働の割には賃金が低いということで人手不足ではありますが、だからといって介護保険法で要求される基準の職員数が満たされれば良いというものではありません。お年寄りに残された日々をできるだけハッピーに過ごしていただくためには、先月のこのコラム「介護はファンタジー」で紹介した、介護のプロフェッショナルの大谷るみ子さんが述べている「心に向き合うのが仕事」と思って介護の仕事をする職員、そして2007年6月のコラム「介護職に必要な3K」で私が述べている、「共感力」、「協調性」、「向上心」を持った人材が必要なのであり、介護に向いている人を採用しきちっと育てることが重要です。だから、国や地方自治体が雇用対策の一環として、介護職への就職を目指す失業者を募集し、ホームヘルパー2級の資格取得に必要な講習費を助成することで、ホームヘルパー2級の有資格者が生まれ、その人たちの多くが介護の現場で働くことになれば、それは失業者を減らすために、また、基準の職員数を満たすためにはなります。しかし、使命感をもって介護事業に取り組んでいる事業所にとって必要な、優秀な介護職員が確保できたということにはならないのです。さらには、介護報酬の低さや種々の規制など介護事業を取り巻く多くの問題が解決されなければ、今回の雇用対策で新たに生まれる介護職員も直ぐに離職し、人手不足は解消されないでしょう。また、建設業者には運転手がいるから、利用者の送迎車を運転できるのではないかとか、建設現場で働く人は力があるから、お年寄りの車椅子からベッドへの移乗(トランス)が上手くできるではないかなどと考える役人がいるようですが、それは全くナンセンスです。当社から朝日ケアに出向した延べ4人の女性社員は、全て事務部門で仕事をしていますし、建設業と介護事業では仕事の内容が全く違うのですから、介護の現場向きの社員がそうそういるものではありません。
 今回TBSテレビの取材を受け、改めて介護事業経営の難しさと同時に、公共性の高い誇りある仕事であるとの思いを強くしました。

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