今月のコラムのタイトルは「読書の秋」です。今読んでいる本や、読んで面白かった本について書きます。そこで念のために「読書の秋」について調べてみました。わたしは単純に、秋は涼しくなって読書するのに適しているという意味だと思っていましたが、Chromeで言葉の由来を調べると、以下の様にありました。
読書の秋は、秋の過ごしやすさを伝える意味で使われます。暑くて過ごしにくい夏にくらべて活動しやすい秋は、やる気も起こりやすく、集中力も持続しやすいでしょう。また、秋は夜が長く一人静かに過ごせる時間も増えます。静かで過ごしやすい時間が増えれば、読書もはかどることでしょう。つまり、「読書の秋」は、秋の過ごしやすさや夜の長さを表す言葉でもあります。読書は「夏の暑さが過ぎて、過ごしやすい季節が来たときに取り組みやすいもの」の代表格なのです。
こうして調べてみて、わたしは過ごしやすい秋が来たから読書しているわけではなく、暑さや寒さに関係なく一年を通して、何らかの本を読んでいることに気付かされました。
今読んでいるのは「三行で撃つ」です。この本の帯紙に次のように書かれています。 「朝日新聞」名物・名文記者の技巧25発。書くとは、考えること。書きたく、なる。わたしに〈なる〉ために。生まれたからには生きてみる。
この本を紹介してくれたのは、以前「県内コレクターに聞く 収集の醍醐味」という記事にわたしを取り上げた北日本新聞社の女性記者です。私が毎月コラムを書いていることを知ってのことでしょう。316ページの分厚い本です。就寝前に30分ほど、あるいは出張の行き帰りの列車内で2時間ほどと読み進んでいますが、夏から読み始めて、今日現在216ページです。
「はじめに」の最後は、「わたしが書いたのではない。言葉によって、書かされた。結果として、そういう本になったようです。今回も、また。」です。興味をそそられる文章ですね。
著者の近藤康太郎さんは、猟師としても、連載コラム「アロハで猟師してみました」を担当していて、章立ても、第1章から第7章のそれぞれの節が第1発から第25発までと、猟師らしい表現です。この本のタイトル「三行で撃つ」は第1発で、この1発目の内容は「書き出しを外すと、次はない。」と書いてあります。そして、「文豪は浮気させない」で始まり「一発外すと、次はない」と続き、猟と文章は似ていて、「最初の一文、長くても三行くらいでしょうか、そこで心を撃たないと、浮気な読者は逃げてきます。続きなど読んでくれない。」として、吾輩は猫である。名前はまだ無い。(夏目漱石)、国境の長いトンネルを抜けると雪国であった。(川端康成)、木曽路はすべて山の中である。(島崎藤村)と、文豪たちの書き出しを挙げています。
8月のコラムの書き出しは、「私は、土日はほとんどほとり座で映画を観ています。平日も退社後、ほとり座に出かけることがあります。」ですが、「三行で撃つ」を意識して書き出しました。今回のコラムの書き出しも、「今月のコラムは「読書の秋」のタイトルです。今読んでいる本や、読んで面白かった本について書きます。」で、「三行で撃つ」を意識しました。
最近目にした新聞記事に「1日の平均読書時間についてみると、書籍が26分、雑誌が24分の計49分で前年より3分短くなっている。 1ヶ月間の読書量については、おおむね若い人ほど読んでおり、書籍についてみれば、10代後半2.2冊、20代2.3冊、30代1.6冊、40代1.4冊、50代1.4冊、60代1.3冊、70代以上1.0冊となっている。」とありました。案外多いと思いましたが、何ページくらいの本なのか、内容は重いものか、軽いものか、で読書時間は全く違ってくると思うのです。
わたしは、「男はつらいよ」の主人公、フーテンの寅を演じた渥美清が大好きで、先月発行された「渥美清に逢いたい」はすぐに買いました。これは「男はつらいよ」の山田洋次監督と黒柳徹子の179ページの対談集で、2日ほどで読了しました。渥美清のことはたいてい知っているつもりでしたが、新しいエピソードもいくつかあり、ますます渥美清が好きになりました。
社員の皆さんは、どれくらいの時間、本を読んでいますか?雑誌やコミック本は入りませんよ。