当社は平成27年から、㈱タナベ経営のコンサルティングによる社員研修をスタートさせ、この年は「次世代プロ幹部育成研修会」として、50歳以下の全社員を対象にした意識調査に基づいて選考された社員16名(男性13名、女性3名)が、4月、5月、6月に、毎月2日間ずつ研修しました。
昨年は、「次世代リーダー育成研修会」として、男性13名(内、前年参加者5名)、女性3名(内、前年参加者1名)を指名して、3月、4月、5月に、前年と同じく毎月2日間ずつ研修しました。
そして3年目の今年の研修は、このコラムのタイトルの「若手社員パワーアップ研修会」です。4月に入社する新入社員4名と、3年生社員2名、4年生社員2名、そして5年生社員1名の9名が参加し、4月に3日、5月に1日、6月に2日の6日間実施します。
今回の研修会の特徴は、先輩社員が社内講師として講話をすることですが、これは私の発案であり、2つのねらいがあります。1つ目は、タナベ経営のコンサルタントによる若手社員向けの講義は、建設業に限らずどの業種にも共通するテーマになるので、当社の先輩社員がこれまで仕事を通して学んだことを、時には失敗談も交えて話すことは、若手社員にとって自分の仕事に直結した興味深い話になるだろうということです。そして2つ目は、講義を受ける人よりも講義をする人の方が成長できると言われますが、そのことを私自身、これまでの県内各地の中学校で行った「14歳の挑戦」授業や、役人や教師を対象にした講演から実感していますので、社内講師を務めることで、中堅、幹部社員が間違いなく成長できるということです。
3月4日に、今回の研修会を担当するタナベ経営のコンサルタントによる社内講師のための事前研修会が行われ、社内講師の8名が「講師としての話し方と講演要旨のまとめ方」を学んだ後に、講話テーマ・講話内容の決定と講師の選定を行いました。その結果、それぞれ30分間の講話が、以下の通りに決定しました。
4月7日(金) 「朝日建設社員としての責任感」 D 業務本部長
「私が技能職になった理由」 Y 工事課長
4月26日(水)「若手社員に望む基本姿勢」 O 工事部長
「基本が大切な理由」 K 工事部員
5月24日(水)「お客様満足について」 O 営業本部長
「建設業に求められる社会的責任」 D 技術部長
「現場で大事な報連相」 K 工事部主任
6月16日(金)「工事評価点数93点を取得したチームワークの秘訣」
N 工事課長
「「三方良し」と「クッションゼロ」の考え方」
D 業務本部長
この講話テーマと社内講師の顔ぶれを見て、この社内講師は多分こんな内容を話すのではないかなと想像し、自分もその講話を聴いてみたいと思う社員がいるのではないかと思いました。工事部の社員に限らず、総務部、営業部の社員も、スケジュール調整して参観することをお奨めします。
そして私には、毎回30分間の「トップコメント」が割り当てられています。今考えている内容は、私のこれまでの70年の人生と、経営者としての考え方がどのように形成されてきたかを、6回にわたり一代記のようにして語ることです。楽しみながら取り組んでいこうと思っています。乞う、ご期待!!
先月のコラムの書き出しは、『今月の2日に満70歳になりました。今年の年賀状には、「1月2日に70歳!!なんだか嬉しい気分です」と書き添えました。』で、締めくくりは、『もうひとつ、理由がありました。70歳になった今月、初孫が誕生します。「なんだか嬉しい気分」のおおもとは、これかもしれません。』でした。
「なんだか嬉しい気分」のおおもとは、やはり初孫の誕生のようでした。1月20日に、長女に女の子が生まれたのです。
私と同い年の男友達には、ほとんど孫がいます。中には、上が高校生という人もいます。以前、高校の同期生でどちらかといえば硬派の友人が、「みんな孫は可愛いと言うが、俺はそうなるとは思っていなかった。しかし生まれてみたら、可愛いぞ」と、相好を崩して携帯電話の待ち受け画面に入れた赤ちゃんの写真を見せてくれました。
私は、生まれた翌日の朝、出勤前に病院に立ち寄り赤ちゃんと対面しましたが、濡れたままの髪の毛が頭にぺったりとはりついていて、悪いと思いながらも、お猿の赤ちゃんのように見えないこともありませんでした。そして、赤ちゃんはこんなに小さいものだったかという印象が強く、予想していたほどの感動や可愛いという思いは起こりませんでした。名前も決まっていないので、赤ちゃんのベッドのネームプレートには「F.A.ベビー様」と書かれていて、名前で呼べないところに、孫の実感も沸かなかったような気もします。
でも、娘が退院して我が家で過ごすようになり、新米の母親として寝不足で悪戦苦闘している姿や、妻が入浴やだっこなどいろいろと助けている様子に、孫が出来たんだという思いが少しずつ強くなってきました。そして、娘が夫のTさんと二人で苦心しながら、出生届けの提出期限ぎりぎりに「Y」という名前を決めたので、少しずつ人間らしく、そして可愛らしくなっていく赤ちゃんにようやく「Yちゃん」と声をかけることができるようになり、今は完全に「じいちゃん」になっています。
さて、世間では「孫は責任が無いからいい」と言いますが、Yが誕生して、私は責任を感じています。祖父母には親と違って子育てに対する直接的な責任が無いという意味で「孫は責任が無い」というのは理解できます。しかし、祖父母の世代としての責任を感じるのです。
今も世界では、シリアや南スーダンなど世界各地で武力紛争が起きています。戦後71年間、世界ではいくつもの戦争が繰り広げられてきた中で、戦争に巻き込まれなかった日本国民は幸せです。しかし、日本一国だけがこれからも戦争と無関係で、そして無関心でいることはできないと思うのです。世界平和、人類の平和の実現のために、日本は積極的に世界各国に働きかけることが必要だと思うのです。そのためには、まず日本が国家として、政治的にも経済的にも社会的にも安定していることが前提だと思います。そして国家の安定は、地域社会の安定の上に成り立つものだと思います。
Yが二十歳になるとき、私は90歳になっていますが、Yや次に生まれてくる孫たちが未来に希望を持って生きていける富山を作り日本を作るために、これからまだまだやることがあるという思い、やらなければいけないという責任を強く感じました。
これも、じいさんになれたから思えたことです。孫よ、ありがとう!
今月の2日に満70歳になりました。今年の年賀状には、「1月2日に70歳!!なんだか嬉しい気分です」と書き添えました。
昨年満69歳の誕生日を迎えたときに、妻から「和夫さんも数えで70歳。古希だわね」と言われましたが、数え年ではピンときませんでした。でも今年の誕生日には「70歳になった。いよいよ古希か!」と思いました。しかし、古希は「人生七十古来稀なり」即ち、70年生きる人は古くから稀であるという唐の杜甫の詩に由来しているので、2015年の日本人男性の平均寿命が80.79歳ですから、古来稀な長生きをしたという気持ちで「嬉しい気分」になったのではもちろんありません。
ではなぜ「嬉しい気分」を感じたのかと自問しました。それは、70歳から新しいことが始まる予感がして、わくわくしているからだろうと思い至りました。
還暦は、60年で干支が一回りして生まれ年の干支に戻ることから、赤ちゃんに還るという意味で赤いちゃんちゃんこや赤い頭巾を贈ると聞きましたが、私は70歳にして赤ちゃんに還り、またこれから新たな人生を歩み始めるという気持ちがするのです。
これは、私が「新老人の会」やロータリークラブの活動の中で、80歳代、90歳代、そして「新老人の会」会長の日野原重明先生のように105歳でもかくしゃくとされている高齢者の方々と日常的に交わっていて、その方々のように健康で長生きしたいという気持ちが70歳の節目の年を迎えたことで強くなったということは多少あるでしょう。しかし、より大きな理由は、当社が昨年2016年にスタートさせた3年間の中期経営計画VISION1.2.3.(営業利益1億円、売上高20億円を平成30年度に達成する)にあると気づきました。3年間ごとの中期経営計画を8回繰り返すと、8回目は2037年度~2039年度となり、翌年2040年は当社の創業100周年の年になります。
今年は、米国で1月20日にトランプ氏が大統領に就任し、英国ではEUとの離脱交渉が本格化するなど世界情勢が大きく変わりますが、日本においてはますます少子高齢化が進み、産業間の人材確保競争が激しくなって、外国人労働者を積極的に受け入れなければ経営が成り立たなくなるでしょう。こんな状況下で、経営者である私には、創業100周年に向かっての中期経営計画をシッカリ立て、それを確実に達成していくことが求められると思います。そこにこそ経営者の仕事があると考えます。そう考えると力がわき、「嬉しい気分」になるのです。
もうひとつ、理由がありました。70歳になった今月、初孫が誕生します。「なんだか嬉しい気分」のおおもとは、これかもしれません。