チョコレートな人々

2023.02.27

 先月のコラムのタイトルは「81+5=86」で、「これは去年1年間に観た映画の本数です。81は富山市総曲輪にあるほとり座で、5はJMAX THEATERとやまでの2本と、サンシップと高岡の会場とインテックビルです。」と書き出しました。

      

 今月のタイトル「チョコレートな人々」は、今年ほとり座で観た11本目の映画です。 

 観た順に、1月は「幕末太陽傳」、「金の糸」、「ホワイトノイズ」、「丹下左膳余話」、「ケイコ目を澄ませて」の5本で、新型コロナウイルスに感染して2本見損ないました。

      

 2月は昨日18日まで、「パリ・テキサス」、「都会のアリス」、「さすらい」、「まわり道」、「よだかの片想い」、「はだかのゆめ」、そして「チョコレートな人々」の7本ですが、今日はこの後、高志の国文学館で「伊豆の踊り子」、その後ほとり座で「冬の旅」を観ます。23日と26日も1本ずつ予定していますので、今月はほとり座で9本と他の会場で1本、先月のタイトル風に書けば、10+1=11です。

      

 今年になって観た映画は、洋画が7本、邦画が9本の16本ですが、つまらなくて「時間を返せ!」と言いたくなった「はだかのゆめ」以外は、それぞれ心に残る映画でした。洋画では、同じ監督が作った三部作「都会のアリス」、「まわり道」、「さすらい」がストーリーの面白さと俳優の演技に魅了されましたが、邦画では、左の頬に痣がある大学院生の女性の恋を描いた「よだかの片想い」と、耳が聞こえない女性プロボクサーが主人公の「ケイコ目を澄ませて」、そして、当初は観る予定に入れていなかった「チョコレートな人々」の3本が特に良かったです。

      

 「チョコレートな人々」のストーリーはチラシを引用すると、「愛知県豊橋市の街角にある「久遠チョコレート」。世界各地のカカオと、生産者の顔が見えるこだわりのフレーバー。品のよい甘さと彩り豊かなデザインで、たちまち多くのファンができました。(中略)代表の夏目浩次さんたちスタッフは、彼らが作るチョコレートのように、考え方がユニークでカラフル。心や体に障がいがある人、シングルペアレントや不登校経験者、セクシュアルマイノリティなど多様な人たちが働きやすく、しっかり稼ぐことができる職場づくりを続けてきました。 (後略)

        

 この映画をぜひ観るようにと勧めてくれたのは、ほとり座のプログラム編成責任者の樋口裕重子さんです。観終わって、樋口さんに勧めてもらってよかったと思い、社員に対するこれまでの私の考え方を反省しました。

      

 「チョコレートの人々」を観て、当社ではこれまで、社員の性格や人間性、生い立ちや境遇、能力や適性などに応じてきめ細かく配慮して仕事を与え指導をしてきたのだろうかと疑問に思いました。当社の70人ほどの社員は一人として同じ人はいません。当社の多様な人たちが働きやすい職場づくりを考えなければいけないと思います。富山市の新庄にも久遠チョコレートの店があるとのことなので、ここでチョコレートを買い、食べながらみんなで話し合いましょう。

81+5

2023.01.25

 81+5=86。これは去年1年間に観た映画の本数です。81は富山市総曲輪にあるほとり座で、5はMAX THEATER とやまでの2本と、サンシップと高岡の会場とインテックビルです。 昨年10月のコラムで、同じ作品を初めて2回観た「こちらあみ子」について書きましたが、今年初めてほとり座に行ったとき、帰り際にほとり座のスタッフの女性から、壁に貼り出された昨年1年間に上映されたすべてのチラシの縮小版の中でどれが一番良かったかと聞かれ、即「こちらあみ子」と答えました。

      

 10月のコラム執筆後にも多くの映画を観ました。古い映画では、ソフィア・ローレンとマルチェロ・マストロヤンニ共演の「ひまわり」、地下鉄パリ駅で主人公の5歳の女の子が「ミシェル、ミシェル」と叫ぶ声が耳に残った「禁じられた遊び」、フランスの個性派俳優ジャン・ポール・ベルモント主演の「勝手にしやがれ」や「気違いピエロ」などを観ました。

      

 アフガニスタンで銃撃で亡くなった中村哲さんのドキュメンタリー「荒野に希望の灯をともす」では、医師でありながら土木を勉強し灌漑用水を建設したことを知り、素晴らしい人であったと尊敬の念を深めました。

      

 「LOVE・LIFE」は、連れ子が風呂で溺死したことから人生が変わっていくという物語で主演の木村文乃の演技がとても良かったです。

      

 「1640日の家族」は、生後18カ月で里子となり受け入れ先の両親や兄弟と幸せに暮らしていたシモンでしたが、4年半を過ぎたころ実父が一緒に暮らしたいと申し出るというストーリーで、実父とシモンが仲良く歩いていくラストシーンが印象的でした。同じ日の午後に観た「グッド・ナース」は、巧妙な手口で患者を行く先々の病院で突然死させる男性看護師と、彼と公私ともに心を許していた女性看護師が、彼に不信を抱いて自白させる場面に、なるほどと感心しました。

      

 12月にはほとり座で、前述のジャン・ポール・ベルモントの映画など11本観ました。今年観た映画で3本の指に入ると日記に書いたのが「ギルバート・グレイブ」で、18歳の知的障害の弟と過食症で超肥満の母親を世話する雑貨屋で働くギルバート、彼がトレーラーで祖母と旅する自由な娘に出会い、自分の人生を見つめ直すことになるという映画です。そして12月30日に観た「キンキーブーツ」も1年の最後を締めくくるにふさわしいミュージカル映画でした。父親の突然の死により倒産寸前の靴工場を相続した男が、女装でパフォーマンスを行う男性のために、かかとが折れないハイヒールを作り成功するという話。日記には、「予想していたよりずっと面白かった。ハラハラドキドキした」と書いていました。

      

 なぜこんなにも映画にはまるようになったのかですが、長男が営む民芸店「林ショップ」で週に1回店番をしてくださる女性が、ほとり座のプログラム編成責任者で、翌月のスケジュール表を送ってくださるからです。そこに書かれている作品の概要を読み、観たいと思う映画に〇をつけ観るのですが、めったに観なければよかったという作品には当たりません。

      

 映画は、時代を超え、国や地域を超え、常識を超え、性差も超えます。何か暗いと感じながら観ている映画でも、ラストがハッピーだとホッとします。映画が終わり、会場が明るくなって現実に戻るときの充実感を味わってみませんか

2022.12.26

 今回のコラムのタイトル「孫」にちなんで、「孫」という歌謡曲の一題目の歌詞「なんでこんなに 可愛いのかよ 孫という名の宝もの じいちゃんあんたに そっくりだよと 人に言われりゃ 嬉しくなって 下がる目じりが 下がる目じりが えびす顔♪」を紹介します。歌手の名前は検索したら大泉逸郎という歌手でした。「孫」は、のメジャーデビューシングルで、発売は1999年4月21日とありました。

      

 私には、来年1月に6歳になる女の子(Yちゃん)と、10月に3歳になった男の子(S君)の2人の孫がいます。長女の子どもですが、時々土曜日に我が家にやって来て、時には泊まっていきます。この二人の孫への思いは、まさに「孫」の歌詞の出だしと同じで、可愛くてなりません。「親ばか」ならぬ「じじばか」だと、我ながら思っています。

       

 私の高校時代の同級生で硬派だった男が、「(友達が、)孫は可愛いいというのを聞いても、何がそんなに可愛いのか?と思っていた。でも孫が出来たら、孫ちゃ可愛いもんだぞ」というのを聞いたとき、私は「この男がね」と微笑ましくなりましたが、私自身は子供が結婚もしていなかったので、「そんなものかね」と思う程度でした。

      

 しかし孫が出来たら、生後間もなくの時からスマホで写真を撮りまくり、名前ごとにフォルダーを作ってスマホの中で整理しています。また、スマホには「Yちゃん語録」、「S君語録」というフォルダーもあり、自宅に二人が来ているときに、妻や私が体験した面白い話を記録しています。

      

 まず「Yちゃん語録」です。どんな状況だったかは書き留めていませんが、去年の秋頃、「どういたしまして、朝飯前ですよ」。今年の2月に我が家に来ていたYちゃんとS君が、おもちゃの木の台所セットでお料理屋さんごっこをしていたときの妻とYちゃんとの会話。メニューは、から揚げ、ラーメン、くまさんカレーなので、妻が「くまさんカレー、ください」というと、Yちゃんが「大変なのでできません。5歳と2歳のシェフですから、から揚げもできません」。笑ってしまいました。Yちゃんはお鍋を使ってラーメンを作りたかったのだそうです。

      

 次に「S君語録」です。妻はウイークデーの朝は娘のマンションに出かけ、孫が保育所に出かけるのを手伝っていますが、今年の5月、娘のマンションの部屋の入口に行くと、S君が「入ったらまめ」と言ったとのこと。「まめ」とは「駄目」のことだそうで「まめ、まめ、あっち(駄目、駄目、あっちに行って)」とも。保育所に行くのが嫌なのです。7月には、私が「おじいちゃん、お腹すいた」と言うと、S君「大丈夫、たくさん食べたから」。まだまだありますが、切りがないのでこれだけにします。

      

 車を運転していても、お母さんやお父さん、時にはおじいさんやおばあさんと手を繋いで歩いている私の孫と同じ年頃の子どもや、赤ちゃんを胸に抱っこしたり乳母車を押してたりしている若いお母さんを見かけると、自然に微笑んでしまいます。

      

 「子供は未来の宝」と言いますが、世界では戦禍で逃げ惑い食べ物も十分にとれない多くの子どもたち、初等教育就学年齢に相当するこどものうち学校に通っていないこどもは世界で5,700万人、日本でも7人に1人の子どもが貧困状態な日本などの記事を目にし、これまでも国際UNHCR協会、国境なき医師団、ユニセフ、善意銀行などに寄付をしてきましたが、最近公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンという団体を知りました。経済的に困難な状況にある家庭を支援する団体ですが、チルドレンという言葉に反応して、毎月定額を寄付することにしました。ネット上ではこれらの団体に対する非難めいた意見も目にしますが、非難する前にまずは行動しろ!と思います。

      

 今日は12月23日、クリスマスイブの明日、世界中の子どもたちがサンタの夢を見られたらよいと願うばかりです。