昨年1月のこのコラムのタイトルは「70歳」でした。書き出しは、「今月の2日に満70歳になりました。今年の年賀状には、『1月2日に70歳!!なんだか嬉しい気分です』と書き添えました。(中略)ではなぜ『嬉しい気分』を感じたのかと自問しました。それは、70歳から新しいことが始まる予感がして、わくわくしているからだろうと思い至りました。」でした。
そして、その理由として「より大きな理由は、当社が昨年2016年にスタートさせた3年間の中期経営計画VISION1.2.3.(営業利益1億円、売上高20億円を平成30年度に達成する)にあると気づきました。3年間ごとの中期経営計画を8回繰り返すと、8回目は2037年度~2039年度となり、翌年2040年は当社の創業100周年の年になります。」と記し、「経営者である私には、創業100周年に向かっての中期経営計画をシッカリ立て、それを確実に達成していくことが求められると思います。そこにこそ経営者の仕事があると考えます。そう考えると力がわき、『嬉しい気分』になるのです。」と結んでいます。
71歳になった今年の心境は、「嬉しい気分」ではなく「体力は衰えてきたが、気持ちは積極的に経営に頑張ろう!」です。
体力の衰えを如実に感じるのは歩き方です。昨年、人前で挨拶する場面で演台に向かう足取りが自分でも「よたよたしているな」と感じたことが何度かあり、今年に入っても、富山市建設業協会の新年会で会長挨拶のためにステージに向かっている途中に、これはみっともない歩き方をしていると恥ずかしく思ったのです。足が弱り歩かなくなると認知症になると言われますから、毎朝5時からの40分~50分間の犬の散歩だけでなく、使わないままになっている健康器具を引っ張り出して、意識的に運動をしなければいけないと思っています。
では、「気持ちは積極的に経営に頑張ろう!」は経営者として当たり前のことですが、今年71歳になって特に意識したのは、新年式での年頭あいさつでも話しましたが、今年が当社にとり大事な年になると考えているからです。
そう考える原点はやはり2040年の創業100周年であり、それに向かっての3年間ごとの中期経営計画(以下、中計)の策定です。当社が昭和21年に株式会社として設立されてから初めて、VISION1.2.3.として中計を策定したのが一昨年なので、今年はこの中計の3年目の最終年度となります。そして今年は、来年から始める次の中計を策定する年にもなります。このことが大事な年の最大の意味です。
次の中計を作らないといけない年であるということは、昨年の本部長会議で出戸本部長が最初に口にしました。それ以来、私は来年どうやって第2期の中計を作ればよいかと考え続けましたが、解決のヒントは、タナベ経営の若松社長が昨年10月に当社に来られ、「変化」とサインして私にプレゼントしてくださった、若松社長が専務時代に著した「100年経営」の中にありました。本の中に書かれていたジュニアボード(若手・中堅クラスの社員が企業経営の諸施策に関して具体的提言を行う“疑似取締役会”のこと。Junior Board 以下JB)制度を当社にも設けて、このJBメンバーに2019年から始まる第2期中計の提言をさせようというものです。
最初の中計VISION1.2.3.は、2015年にタナベ経営のコンサルティングを受けて行った次世代プロ幹部育成研修会のテーマの一つとして作り上げられましたが、来年から始まる第2期中計は、タナベ経営がJBの立ち上げとその運営に対する指導を行いますが、策定するのはあくまでも当社の社員です。彼らは中計策定後も何年か様々な提言を行うことで会社の経営そのものに継続的に関わっていくことになります。1回完結型の社員研修会ではないところが大きな違いです。
このJBメンバーには新しいメンバーが加わって若返りが図られながら、第2期、第3期のJBが立ち上がり、第8期中計の2037年~2039年(創業99年)に続いて行きます。このJBを経験した社員の中から、本来の役員(ボードメンバー Board member)も生まれていきます。そしてこの役員たちも、創業100年までに入れ替わっていくことになります。こうして、若い感性で時代を先取りしていく社員の提言を具体化させながら、社歴は長く古くても、常に新しいことに挑戦し続ける朝日建設として創業100周年を迎えるのです。
そのスタートの年が今年です。だから今年は大事な年であり、「気持ちは積極的に経営に頑張ろう!」なのです。