75歳を前にして

2021.12.27

 私は来年の1月2日に満75歳になり、いよいよ後期高齢者の仲間入りをします。私が富山支部の世話人代表(支部長のようなもの)を務めている「新老人の会」は、聖路加国際病院名誉院長の日野原重明先生が、75歳以上を後期高齢者と呼ぶことに対して異議を唱え、75歳以上の人を「新老人」という名称でシニア会員、65歳以上の前期高齢者の人をジュニア会員として2000年9月に設立されました。私が誘われて「新老人の会」富山支部に入会したのは2009年62歳の時でしたが、世話人代表にさせられたおかげで当時98歳であった日野原先生に直接お会いする機会が出来ました。先生は105歳で亡くなられましたが、その間、背中は曲がっても頭脳明晰で理路整然とした話しぶり、体を前後左右に揺らしながら楽しそうに合唱の指揮をとる姿、ユーモアを交えた講演などにじかに触れることが出来たことは、かけがえのない経験でした。また、富山支部や全国の70代、80代の会員の方々と知り合いになり、「亀の甲より年の劫(こう)」ではありませんが、しっかりした意見を持ち堂々と発言される姿に感心したことも度々ありました。ようやく後期高齢者の仲間入りができたので、これまでお会いしてきた元気な「新老人」に負けないように元気で生きていこうとの思いを新たにしています。この思いから最近は「私は今74歳ですが、93歳で迎える当社創業100周年記念式典でのあいさつを今から考えています」とあちこちで言っています。

  

 さて、私は60歳代から腰が曲がり気味でしたが、ここ3年曲がり方がひどくなり、歩くときは臀部に痛みを感じています。整形外科に通い、整体や鍼灸院にも通いましたがはかばかしくありません。今は、通販で買ったオムロンの電気治療器に望みを託しています。しかし今のところ生活習慣病健診でもほとんどの項目が「異常なし」で、「要経過観察」が身体計測(肥満)、「治療中」が血圧と肝機能でした。脳ドックの検査も脳梗塞・心筋梗塞発症リスクは「低」でした。これで安心しているわけではありませんが、365日ほぼ毎日、家でも外でも多種多様なお酒と料理を楽しんでいます。72㎏を切ることを目標に毎朝測っている体重は、コロナ禍のせいにしているのですが、このところ74㎏超が続いています。年末年始のご馳走と酒を少し控えようかと、この原稿を書きながら思っています(無理だろうなぁ)。

  

 さて、当社の初代社長である私の祖父林銀蔵は、1940年の創業から亡くなる1966年まで26年間、二代目社長の私の父林俊郎は1966年から70歳の1991年3月末まで25年間社長を務めました。父は60歳代後半に大病を患ったことから70歳を機に社長を退くと決めたようです。私が社長に就任したのは1991年4月で44歳でしたから今年3月で30年経ち、社長歴は祖父と父を超えました。この30年間、そして28歳で入社してからの46年間を振り返ると、かっこよく言えばチャレンジの連続で、コンピュータを始め新しい機械や新しい制度をたくさん取り入れてきました。思いもかけぬ事件に遭遇した時も、先頭に立って解決してきました。

  

 私も腹の中では社長を退く年齢をほぼ決めていますので、75歳を機にこれまで以上に副社長、専務、本部長などの幹部社員に権限を委譲していこうと思います。しかし好奇心が旺盛で新しもの好きという私の性格は変えられません。変わったら私が私でなくなります。

  

 最近ますます尊敬の念を深くしている中村天風師の言葉に「人生で最も大切なことは、何をおいても自分の心に積極性を失ってはならないということである。」(「中村天風さんの最近のツイート」から)があります。好奇心も新しもの好きも積極性の一面だと思いますので、私が何か新しいことを言い出したら、私がまだ元気な証拠だと思ってください。