2017.07.01

何の為に生まれて 何をして生きるのか

私は、社内の研修でも、社外での講演でも、ほとんどのプレゼンテーションで、アンパンマンの画像を映した後に『アンパンマンのマーチ』の以下の歌詞を映します。

 そうだ!嬉しいんだ生きる喜び たとえ胸の傷が痛んでも

 何の為に生まれて 何をして生きるのか

 答えられないなんて そんなのは嫌だ!

 今を生きることで 熱いこころ燃える だから君は行くんだ微笑んで。

 富山県内の中学2年生が「社会に学ぶ『14歳の挑戦』」に参加する前に、学校に依頼されて私が行う授業のタイトルは、始めた最初の頃から「生きること、学ぶこと、働くこと」ですが、昨年7月に、あさひホームで呉羽中学2年生の生徒に行った「14歳の挑戦」でのオリエンテーション以降、「生きること」を考えるときに、この「何の為に生まれて 何をして生きるのか」を紹介し、「君は、何のために生まれたのですか?」と問いかけています。

 最近では、この歌詞の次のスライドに、アンパンマンに出てくるばいきんまんとドキンちゃんの画像と、中村天風の言葉「ばい菌一匹でも、目的なくこの世に出てきたものはない。」を映してから、「生きる目的はなんだろうか?」と問いかけています。そしてその後の講義を、学ぶ目的は何か、働く目的は何かと続けます。

 私が尊敬する、聖路加国際病院名誉院長日野原重明先生は、「生きているとは、いのちがあるということ」、そして「いのちとは自分が使える時間であり、時間を世のため人のために有意義に使ってください」と言っておられることを紹介し、続いて「『働く』とは、端・楽であり、世のため人のために働く」のだから、「働くとは、時間を世のため人のために有意義に使うこと」、すなわち「有意義に生きる=働く」と、私の持論を展開します。

 私は、このように、生きる意味、働く意味をシッカリさせることで、その目的がハッキリし日々の仕事に対する姿勢も必然的に変わってくると思っています。

 ですから、仕事をするときはまず最初に、この仕事の目的は何かと考えます。そうすると、従来のやり方でよいのかと考えるようになります。もっと早く目的を達せられないか、どうしたらミスなく、手戻りもなく仕事が出来るかと考えます。その結果、以前より良い成果が生まれます。

 いろんな団体の長としても、この会の目的は何かと考えます。私が会長を務める富山市建設業協会が、新組織として発足して10周年の記念イベントとして、昨年の8月に1回限りのつもりで行った「建設フェスティバル」を、今年も7月30日(日)に行います。それは、協会の喫緊の課題が建設業界の担い手の確保であり、この目的をはたすためには、小学生のときから建設業、特に生活の基盤を支える土木に関心を持たせることが大切である、しかし、継続して行わなければ意味がないと思ったからです。

 さて、1991年7月から書き始めたこのコラムの目的は何でしょうか?今回のように、私の考え方を社員の皆さんに伝えることも目的のひとつです。今回は16日の日曜日に出社し、2時間半で書き上げましたが、目的をいつもより明確にして取り組んだため、これまでより短時間に、短い文章で、しかし、言いたいことは伝えられたと思っています。

 余談。家を出る前に娘と孫が自宅にやってきたので、早くコラムを書き上げ家に帰りたいとの想いが、短時間で仕上げられた最大の推進力ではあります。

 7月19日追伸。日野原先生は、昨日105歳でご逝去されました。謹んでご冥福をお祈りいたします。